中山記念は無観客開催で波乱要素増。人気薄の2頭が思わぬ結末を呼ぶ (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 また、今回は小回りの芝1800m戦。かつて、GIII福島記念(福島・芝2000m)、GIII小倉大賞典(小倉・芝1800m)を勝っている実績から、最も力を出せる条件だと思います。さらに鞍上が、この馬に重賞3勝をもたらした武士沢友治騎手に戻ります。これも"買い"の材料となるひとつです」

 思えば、2走前のGIIスワンS(11着。京都・芝1400m)と、3走前のGIスプリンターズS(14着。中山・芝1200m)は、同馬にとって適距離ではなかった。4走前のGIIIエルムS(14着。札幌・ダート1700m)は、初のダート戦だったし、5走前のGIII七夕賞(13着。福島・芝2000m)も、休み明けで、緩い馬場も合わなかった。そして、6走前のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(14着。中山・芝1600m)は、1000mのラップが56秒5という超ハイペースに泣かされた。

 過去6戦の惨敗にはしっかりと敗因があって、今回は開幕週の馬場という点が大きな味方になりそう。そして、同馬にとって、ここが引退レースとのこと。一昨年のレースで3着と善戦した再現があるか、注目である。

「人気上位勢は皆、先を見据えた叩き台。ここが"ラストラン"というこの馬は、すべてのパワーを注ぎ込んできますから、軽視しすぎるのはどうかと思いますよ」(大野記者)

 無観客での開催が決まった今週の中央競馬。まさしく波乱含みとあって、中山記念でも思わぬ結末が待っているかもしれない。その一端を担うのが、ここに挙げた2頭であってもおかしくない。

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