香港のGⅠ4レースに9頭の日本馬が参戦。
その状態と本命・穴馬は? (3ページ目)
3番目に行なわれるのが「GⅠ香港マイル(芝1600m)」。こちらは連覇中のビューティージェネレーション(せん7歳)が直近2連敗と、やや勢いに衰えが見えてきた中でのレースとなった。
日本からは、今年マイルGⅠを2勝のインディチャンプ(牡4歳)を筆頭に、ペルシアンナイト(牡5歳)、アドマイヤマーズ(牡3歳)、ノームコア(牝4歳)と、4頭のマイルGI勝ち馬が遠征してきた。
ノームコア以外の関西の3頭は揃って11月27日に到着。いずれも順調に調整が進んでおり、状態面では全く不安を感じさせない。インディチャンプは、前走は直線でぱっくりと前が空くラッキーもあったが、それでも十分に追い出しを待ってから抜け出した内容は、ここでも通用する素地を感じさせる。あえて懸念を探すとすれば、外を回すことが多いD.レーン騎手の癖が悪い形で出てしまうことだろう。
ペルシアンナイトも調教の動きは文句ないが、昨年が5着だったように、それ以上となると厳しいのではないかと見立てられる。アドマイヤマーズも毎日のように意欲的な調教が行なわれている。隣のビューティージェネレーションにどこまで対応できるかがカギになるだろう。
関東のノームコアは、12月4日に芝コースで素晴らしい動きを披露した。成長力のあるハービンジャー産駒。日本勢の中でも人気の盲点になるのではないかと見ている。
地元勢で注目したいのは、カーインスター(せん4歳)とシンプリーブリリアント(せん5歳)。前者は玉砕的な逃げで、このところビューティージェネレーションを苦しめている元凶でもあり、前走ではビューティージェネレーションに外に張られながらも、最後は先着して見せた。自力で1分32秒台を叩き出せる脚力は要注目だ。
レースに向けて調整を行なうカーインスター photo by Tsuchiya Masamitsu シンプリーブリリアントは、勝ち切るまでは厳しいものの、これまでにGⅠに2回出走して4着、3着となっているように潜在能力は高い。連ヒモとして高配当に一役買ってくれそうだ。
最後に行なわれるのが「GⅠ香港カップ(芝2000m)」。8頭立てと一気に寂しくなったが、春のGⅠクイーンエリザベス2世C(芝2000m)を勝った、日本から出走するウインブライト(牡5歳)が注目を集めることとなった。秋2戦は奮わなかったが、そのあとは青写真どおりにきており、12月4日の追い切りも躍動感溢れるものがあった。
ブックメーカーの人気では地元のフローレ(せん5歳)がやや抜けて、マジックワンド(牝4歳)、ライズハイ(せん5歳)、ウインブライトの順となっている。
このライズハイとマジックワンドにも注目したいのだが、穴馬ではフランスのエディザ(牝3歳)をお勧めしたい。フランス調教馬は、香港ヴァーズで相性がいいのは過去の成績から証明されているが、今回はあえてカップに矛先を向けてきたことに注目。重賞勝ちはないものの、芝コースの質が近いアメリカ遠征で勝利を挙げており、適性の高さを感じさせる。管理するロワイヨデュプレ調教師は、「タイトルもないし、まだまだこれからの馬」と謙遜するが、無欲の一発に注意したい。
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