穴党記者が近年の秋華賞の傾向を分析。そこから導き出された穴馬4頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 また、吉田記者は、紫苑Sでカレンブーケドールに先着した1着パッシングスルー(牝3歳)と、2着フェアリーポルカ(牝3歳)も、人気の盲点になると踏んで穴馬候補に推奨する。

「フェアリーポルカは今春、オークストライアルのGIIフローラS(4月21日/東京・芝2000m)で5着。終始外を回されたうえ、超スローペースだったことを思えば、強い競馬でした。そのまま、押せ押せで挑んだオークスでは16着と惨敗を喫しましたが、立て直しを図って臨んだ秋初戦の紫苑Sでは、うまい立ち回りを見せて2着となりました。馬込みは問題なく、抜群のスタートから上々の行き脚を見せられたことは、大きな成長です。

 同馬も前走の走破時計から、良馬場での高速決着にも対応できることは証明済み。走法や脚元から、道悪も苦にしないでしょう。前走で16㎏増と、過去最高の馬体重で最もいいパフォーマンスを見せたことも、確かな伸びしろと判断していいと思います。

 パッシングスルーにも、当然注意が必要です。成長力のあるルーラーシップ産駒で、春よりも確実に力をつけています。しぶとくいい脚を使え、前向きさがあって、精神面もしっかりしているタイプ。同馬も、前走の内容から速い時計に対応できることがわかって、脚元や脚質、精神面から道悪も歓迎のクチ。崩れるシーンが想像できません」

 同様に、木南記者も「紫苑Sのワンツーも気になります」と言うが、そう前置きしたうえで、道悪の場合に浮上する馬として、エスポワール(牝3歳)の名前を挙げた。

「父がオルフェーヴルで、母父がシンボリクリスエスと、いかにも気性に難がありそうですが、レースぶりは大物感たっぷり。今回、3カ月ぶりのレースになりますが、前走の2勝クラス・シンガポールターフクラブ賞(7月14日/中京・芝2000m)では、道悪のなか、古馬相手に圧勝しています。3歳牝馬同士なら、ここでもヒケは取らないでしょう」

 エスポワールの半兄には、ダービー3着のアドミラブルがいる。さらに、叔父には重賞3勝のリンカーンや皐月賞馬のヴィクトリーらがいて、祖母の半兄はダービー馬フサイチコンコルド。大舞台に強い血統で、一発あっても不思議はない。

 春の二冠の勝ち馬がいないなか、気になる伏兵馬がズラリとそろった秋華賞。なかでも、ここに挙げた馬たちがオイシイ配当をもたす可能性は大いにある。

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