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白熱の秋華賞。好相性の血を併せ持つ
2頭が快走する!

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 10月13日、京都競馬場でGⅠ秋華賞(芝2000m)が行なわれる。このレースは春のGⅠ桜花賞(阪神/芝1600m)、GⅠオークス(東京/芝2400m)に続く"3歳牝馬三冠"の最終戦。今年は桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーも不在だが、2歳女王や春のGⅠ好走馬に加え、夏の上がり馬も揃っており、白熱した争いが予想される。

 今年の秋華賞が行なわれる京都・芝2000mの内回りコースは、直線距離が328.4mで、外回りコースの403.7mに比べてかなり短くなる。器用さが要求され、ちょっとした不利が響きやすくなり、人気馬の取捨には注意が必要だ。

 今回は素直に、過去の秋華賞で実績がある血統馬に注目したい。そこで浮かび上がってくるのが、サトノダムゼル(牝3歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。

前走の白井特別を勝利したサトノダムゼル前走の白井特別を勝利したサトノダムゼル 父ディープインパクトの産駒は、2012年ジェンティルドンナ、2014年ショウナンパンドラ、2015年ミッキークイーン、2016年ヴィブロスと、同レースで4勝。2着馬も2012年ヴィルシーナ、2013年スマートレイアー、2018年ミッキーチャームの3頭を出している。

 サトノダムゼルは世界的な良血馬で、半兄アニマルキングダムはGⅠケンタッキーダービー(アメリカ/ダート2000m)、GⅠドバイワールドC(UAE/ダート2000m)といった大レースを勝った名馬。全兄サトノキングダムも現役で5勝を挙げている。

 血統をより詳細に見てみると、祖母の父は1980年代を代表する名馬で、凱旋門賞(フランス/芝2400m)などを勝ったダンシングブレーヴだ。同馬は種牡馬として日本に輸入されたが、産駒はこの秋華賞で、1996年エリモシック2着、1997年キョウエイマーチ2着、2001年テイエムオーシャン1着の「連対率100%」というすばらしい成績を残している。母の父としても、2004年の勝ち馬スイープトウショウ(父エンドスウィープ)を出している相性のいい血だ。

 ダンシングブレーヴが入ることによって、その父リファールのクロスが発生するが、これは2012年の勝ち馬ジェンティルドンナと同じパターン。リファールは、ダンシングブレーヴ産駒のテイエムオーシャンに加え、孫世代ではモガミ産駒ブゼンキャンドルが1999年に勝利。ダンシングブレーヴを父に持つキングヘイローの産駒、カワカミプリンセスも2006年に勝利している。サトノダムゼルは、ディープインパクト、ダンシングブレーヴ、リファールと、秋華賞と相性がいい血を併せ持っているのだ。

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