穴党記者が近年の秋華賞の傾向を分析。
そこから導き出された穴馬4頭
「3歳牝馬三冠」の最終戦、GI秋華賞(京都・芝2000m)が10月13日に行なわれる。
ここ10年の結果を振り返ってみると、2010年のアパパネ、2012年のジェンティルドンナ、そして昨年のアーモンドアイと、3頭の「三冠牝馬」が誕生していることもあって、比較的平穏な決着に収まっていることが多い。
とはいえ、秋華賞と言えば、2008年に3連単の配当が1000万円台を記録しているように、本来は"穴党向け"のレースと言える。
「しかも、今年は春の二冠の勝ち馬が不在」と、日刊スポーツの木南友輔記者が言うように、GI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)を快勝したグランアレグリアが別路線に進み、GIオークス(5月19日/東京・芝2400m)を制したラヴズオンリーユーは調整遅れなどがあって、ともに出走を回避した。
「これは、2002年以来のことで、その年は無敗で、クラシック不出走のファインモーションが勝っています。そうなると、今年は無敗のサトノダムゼル(牝3歳)ということになるのか......。う~ん、どうなんでしょう......」と、木南記者は波乱ムードを匂わす。
そうした雰囲気のなか、デイリー馬三郎の吉田順一記者はこんな見解を示す。
「秋華賞における最近のひとつの傾向として、GIII紫苑S(中山・芝2000m)との結びつきが強くなっています。今年も、この点がポイントになりそうです」
たしかに、ここ5年の結果を見てみると、2014年のショウナンパンドラ(紫苑S2着)、2016年のヴィブロス(紫苑S2着)、2017年のディアドラ(紫苑S1着)と、紫苑Sをステップに挑んできた馬が3度も秋華賞を制している。吉田記者が続ける。
「紫苑SがGIIIに格上げされた2016年には、同レースでは不利があった2着ヴィブロスと5着パールコードが、秋華賞でワンツーを決めました。紫苑Sと秋華賞の舞台が同じようなコース形態にあることが、最近の紫苑S組の台頭につながっているのでしょう。今年は、ゴール前でしのぎを削った紫苑Sの1~3着馬が皆、秋華賞に出走してきます。楽しみですね」
そうは言っても、春の実績馬が集うGIIローズS(阪神・芝1800m)がトライアルとしては本筋。ゆえに本番でも、ローズS組のほうに目が行きがちだが、吉田記者はローズS組の問題点についてこう言及する。
1 / 3