2019.10.06

エネイブルの凱旋門賞3連覇はアリ。
武豊の騎乗馬などその他注目は?

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by REX/AFLO

 日本時間10月6日夜に、ヨーロッパの大一番、GI凱旋門賞(フランス・パリロンシャン/芝2400m)が幕を開ける。今年はエネイブル(牝5歳)による史上初の3連覇がかかっており、さらに日本からも3頭が参戦。加えて武豊も地元の3歳馬、ソフトライト(牡)に騎乗するなど、見どころが多い。

 3連覇を狙うエネイブルだが、欧州の主要ブックメーカーは軒並み2倍を切るオッズをつけている。今年も3戦無敗。出走が12頭と少なくなって紛れの確率も減った。しかも、ブックメーカーで5番、6番人気となっているマジカル(牝4歳)やヴァルトガイスト(牡5歳)を今年のレースで一蹴しているのだから、当然といえば当然かもしれない。では、本当に凱旋門賞3連覇は可能か。筆者は「大いにアリ」と見ている。

凱旋門賞3連覇を狙うエネイブルは、今年も3戦無敗と好調 過去に凱旋門賞を連覇したのはエネイブルを除いて6頭。しかし3連覇がいないため、大いなる壁があるように見える。しかし、実際に3連覇に挑戦したのは4年前のトレヴ(当時牝5歳)1頭で、ほかの5頭はみな、2連覇を果たした凱旋門賞をもって引退している。つまり、「3連覇の難しさ」の正体は、「3連覇に挑戦することの難しさ」なのである。

 また、今回の挑戦が、連敗の最中であればもっと懐疑的になっていただろう。しかし今年は3戦無敗で、ヨーロッパの超一線級を相手にしての勝利なのだから、非のつけどころがない。

 仮に敗れるとしても、今年のエネイブルの成績を見る限り、よほどのアクシデントがない限り馬券圏を外すとは到底考えられない。エネイブルと初めて対戦するジャパン(牡3歳)やソットサス(牡3歳)のほうが懐疑的な部分がある。エネイブルを中心に、相手関係が荒れる、と考えて高配当を狙うのが得策だろう。

 その上で重要なファクターが馬場だ。この1週間、パリでは毎日のように断続的ながら降雨があり、パリロンシャンの馬場はかなり渋りそうな予測が出ている。パリロンシャンの馬場は、乾いていればヨーロッパでも高水準の高速決着になり、一方で渋ると途端にパワーが要求される二面性を持つ。

 今年のパリは、夏場は降雨がほぼなく、7月の3歳GIパリ大賞(パリロンシャン/芝2400m)や、3つの前哨戦が行なわれた9月15日の”トライアルデー”では典型的な前者の馬場であった。実際に、この4レースはいずれも2分27秒台と、過去の凱旋門賞と比較しても、速いタイムで決着している。今年の凱旋門賞はそれとは真逆になりそうだ。