2019.09.01

アドマイヤチャチャは「最強の1勝馬」
の妹。「切れとオーラがある」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第15回:アドマイヤチャチャ

 現役屈指の”個性派”の兄を持ち、早くから脚光を浴びている2歳馬がまもなくデビューを迎えようとしている。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアドマイヤチャチャ(牝2歳/父ディープインパクト)である。

兄エタリオウ以上の活躍が期待されるアドマイヤチャチャ“個性派”の兄というのは、2つ上のエタリオウ(牡4歳/父ステイゴールド)。「最強の1勝馬」と称され、非常にファンが多い1頭だ。

 その通称どおり、エタリオウはいまだ1回しか勝ち星を挙げていない。しかし、その実力は間違いなくトップクラスである。

 同馬は2歳の秋にデビューし、2戦目の2歳未勝利(京都・芝2000m)で初勝利を挙げた。それが、同馬にとって、唯一の勝利となっている。

 その後、500万クラス(現1勝クラス)で3戦連続の2着に終わるも、GII青葉賞(東京・芝2400m)に臨むと、好位から力強く伸びて2着と奮闘。重賞レベルでも戦える力を示して、GI日本ダービー(東京・芝2400m)への切符をつかんだ。

 そして、そのダービーでもスタートで出遅れながら、上がり33秒5の末脚を繰り出して4着と健闘。勝ったワグネリアンとは、コンマ2秒差という好勝負を演じた。

 さらに、秋にはGII神戸新聞杯(阪神・芝2400m)で2着と好走。ここでもメンバー最速の上がりタイムをマークして、ダービー馬ワグネリアンに半馬身差に迫る走りを見せた。

 その結果を受けて、三冠最後のGI菊花賞(京都・芝3000m)では2番人気に支持されたエタリオウ。ファンの期待どおり、中団から伸びて直線に入ると早々に先頭に立った。だが、最後はフィエールマンとの壮絶な叩き合いの末、ハナ差及ばずに2着。またも勝利はお預けとなった。

 こうして、重賞やGIでも勝ち負けを演じながら、栄冠を手にできないエタリオウは、いつしか「最強の1勝馬」と呼ばれるようになった。そして、以降も重賞戦線で奮闘を続けているが、2着止まりで、今なお2勝目を挙げることはできていない。