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アドマイヤチャチャは「最強の1勝馬」
の妹。「切れとオーラがある」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第15回:アドマイヤチャチャ

 現役屈指の"個性派"の兄を持ち、早くから脚光を浴びている2歳馬がまもなくデビューを迎えようとしている。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアドマイヤチャチャ(牝2歳/父ディープインパクト)である。

兄エタリオウ以上の活躍が期待されるアドマイヤチャチャ兄エタリオウ以上の活躍が期待されるアドマイヤチャチャ"個性派"の兄というのは、2つ上のエタリオウ(牡4歳/父ステイゴールド)。「最強の1勝馬」と称され、非常にファンが多い1頭だ。

 その通称どおり、エタリオウはいまだ1回しか勝ち星を挙げていない。しかし、その実力は間違いなくトップクラスである。

 同馬は2歳の秋にデビューし、2戦目の2歳未勝利(京都・芝2000m)で初勝利を挙げた。それが、同馬にとって、唯一の勝利となっている。

 その後、500万クラス(現1勝クラス)で3戦連続の2着に終わるも、GII青葉賞(東京・芝2400m)に臨むと、好位から力強く伸びて2着と奮闘。重賞レベルでも戦える力を示して、GI日本ダービー(東京・芝2400m)への切符をつかんだ。

 そして、そのダービーでもスタートで出遅れながら、上がり33秒5の末脚を繰り出して4着と健闘。勝ったワグネリアンとは、コンマ2秒差という好勝負を演じた。

 さらに、秋にはGII神戸新聞杯(阪神・芝2400m)で2着と好走。ここでもメンバー最速の上がりタイムをマークして、ダービー馬ワグネリアンに半馬身差に迫る走りを見せた。

 その結果を受けて、三冠最後のGI菊花賞(京都・芝3000m)では2番人気に支持されたエタリオウ。ファンの期待どおり、中団から伸びて直線に入ると早々に先頭に立った。だが、最後はフィエールマンとの壮絶な叩き合いの末、ハナ差及ばずに2着。またも勝利はお預けとなった。

 こうして、重賞やGIでも勝ち負けを演じながら、栄冠を手にできないエタリオウは、いつしか「最強の1勝馬」と呼ばれるようになった。そして、以降も重賞戦線で奮闘を続けているが、2着止まりで、今なお2勝目を挙げることはできていない。

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