ダービー馬レイデオロの半弟、
アブソルティスモは「初戦から楽しみ」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第1回:アブソルティスモ

 GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)が終わると、早くも来週から、来春のクラシックを目指す2歳馬たちの新馬戦がスタートする。

 そして、その1年後の大舞台における"主役"候補として、すでにその血統背景から大きな注目を集めている馬がいる。美浦トレセン(茨城県)の藤沢和雄厩舎に所属するアブソルティスモ(牡2歳/父ダイワメジャー)である。

前評判が高いアブソルティスモ前評判が高いアブソルティスモ なにしろ、半兄には2年前のダービー馬レイデオロ(牡5歳/父キングカメハメハ)がいるのだから、話題になるのも当然だろう。

 レイデオロはダービーを勝ったあと、その秋にはGIジャパンカップ(東京・芝2400m)に挑戦。古馬相手にも堂々とわたり合って、2着と健闘した。

 さらに同馬は翌年、GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)でふたつ目のGIタイトルを獲得。中団から抜け出して、強豪ライバルたちを難なく振り切った。

 その後も、GI有馬記念(中山・芝2500m)では僅差の2着に奮闘するなど、現役屈指の実力馬として活躍している。

 そんなレイデオロと同じく、ハイレベルでの活躍が期待されているアブソルティスモ。同馬の育成を行なったノーザンファーム早来(北海道)でも評判は高く、スタッフの山内大輔氏はこんな評価を口にする。

「アブソルティスモは、調教メニューを強めても、まったくへこたれませんでしたね。一度も調教ペースを落とさなかったですし、早く調教が進んだ1頭です。完成度が高く、折り合い面も問題はありません。初戦から楽しみなタイプです」

 レイデオロとは父が異なるが、山内氏がその違いについてもこう語る。

「アブソルティスモは、こちらに来たときから筋肉質でガッチリしていましたね。父の影響が出ていると思います。性格面も兄たちに比べ、一番どっしりしていて、細かなことにも動じません。距離については、マイルあたりまでが得意なのではないでしょうか」

 筋肉質な面、兄とは違った距離志向など、半弟ならではの特徴がすでに色濃く出ているようだが、兄にも劣らぬ素質の高さを秘めていることは間違いない。

「令和」という新たな時代を駆け抜けていく現2歳世代。アブソルティスモはその世代を代表する名馬となるのか、注目である。

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