波乱の3歳牝馬戦線。どの馬が今、クラシック女王の座に最も近いか (5ページ目)

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  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 4位は、2戦2勝のラヴズオンリーユー。昨年の11月以来出走がなく、阪神JFの上位陣にポイントを奪われた形で、前回よりもワンランクダウンとなった。

木南氏
「大跳びな感じが、全兄のリアルスティールそっくり。白菊賞(2018年11月25日/京都・芝1600m)では、鞍上の岩田康誠騎手が相当な自信を持って乗っていたように見えました。

 本来の距離適性はわかりませんが、兄は菊花賞(京都・芝3000m)で2着。牝馬同士であれば、オークスの距離も大丈夫ではないでしょうか」

 そして、5位は奇しくもGIIIアルテミスS(2018年10月27日/東京・芝1600m)の上位2頭で、阪神JFの3、4着馬が同ポイントでランクイン。アルテミスSの勝ち馬で、阪神JF4着のシェーングランツ(牝3歳/父ディープインパクト)は前回4位からひとつ順位を落とし、アルテミスS2着で、阪神JF3着のビーチサンバ(牝3歳/父クロフネ)は前回圏外から一気にランク入りを果たした。

土屋氏
「同じ藤沢和雄厩舎でも、シェーングランツはグランアレグリアとは対照的に、阪神JFで前走比マイナス8kg、デビューからだとマイナス16kgと、本来成長する時期にもかかわらず、レースを使うたびに体を減らしてきました。それでいて、阪神JFでは後方から追い込んでコンマ3秒差の4着。極めて省エネの走りだったことを思えば、その結果にも、能力の高さをあらためて感じさせるものがありました。

 前走後は、しっかりと休養。前哨戦となるGIIチューリップ賞(3月2日/阪神・芝1600m)に向けて体を戻すことができれば、もう少しやれていいと思います。もしそこで、プラス20kgぐらいで出てきて人気を落とすようなら、むしろ全力で買いたいです」

市丸氏
「1、2着馬ほどではないにせよ、ビーチサンバも阪神JFでは4角外から追い込んできました。フサイチエアデールの子は近年活躍馬が出ていませんが、全兄に朝日杯FSを勝っているフサイチリシャールがいる血統。マイル前後ではかなり楽しめる存在ではないでしょうか」

 前回から大きくランキングが変わったように、ひと筋縄ではいかない雰囲気が漂う今年の3歳牝馬戦線。クラシック本番を迎える前に、もうひと波乱あるかもしれない。有力各馬の動向や今後の主要レースを、注意深くチェックしていく必要がありそうだ。

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