キスラーは高価格高評価の良血馬。
武豊を背にクラシックに向かえるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

厳選!新馬情報局(2019年版)
第32回:キスラー

 年が明けて2019年、ひとつ年齢を重ねた3歳馬たちの"歩み"は、春の大目標であるクラシックに向けて、一段と加速していくことになる。

 そういう意味では、すでにデビューし、結果を残してきている馬たちが有利であることは間違いない。だが、これから初陣を迎える面々のなかにも、その"歩み"に追いつき、追い越そうかという力を秘めた素質馬がいる。

 その1頭が、栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するキスラー(牡3歳/父ディープインパクト)である。

 同馬は1歳時から注目を集めてきた。というのも、一昨年の競走馬のセリ市「セレクトセール」にて、1億9500万円(税別)の高額で落札されたからだ。

 それほどの高値がつくのも、良血馬だからに他ならない。母はアメリカのGIエイコーンS(アメリカ・ダート1600m)を制している名牝シャンパンドーロ。父が日本屈指の種牡馬ディープインパクトとなれば、納得である。

 母シャンパンドーロは、引退後に日本で繁殖生活を開始。2014年に生まれた半兄フォギーナイト(牡5歳/父タピット)はダートで6戦4勝と、今後もさらなる活躍が期待される1頭だ。

 また、2015年に生まれた全兄のカザン(牡4歳/父ディープインパクト)も、セレクトセールで2億3500万円(税別)の高値で落札されている。この血統への評価がそれだけ高い証拠だろう(※同馬は中央競馬では未勝利も、その後、地方競馬の門別競馬に移籍し2連勝中)。

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