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チャンピオンズCで最強ルヴァンスレーヴに
迫る、思わぬ伏兵を発見 (3ページ目)

 ジャパンダートダービー2着馬で、ルヴァンスレーヴに次ぐ3歳世代ナンバー2の存在です。古馬と対戦した秋の2戦でも、GIIIシリウスS(9月29日/阪神・ダート2000m)1着、JBCクラシック2着と結果を残して、そのことを改めて証明しました。

 シリウスSではハンデ53kgと恵まれていましたが、初めて古馬と、それもオープンクラスの実力馬との対戦でも、何ら臆することなく"横綱競馬"で勝利。JBCクラシックでも、ケイティブレイブに迫る唯一の存在でした。

 この馬もまた、世代トップクラスの能力を備え、古馬相手でも上位を狙える力を秘めています。決して侮ることはできません。

 ここまで、3頭の有力馬を取り上げてきましたが、見方をガラッと変えて今回の「ヒモ穴馬」をピックアップしたいと思います。

チャンピオンズCでの大駆けが期待されるウェスタールンドチャンピオンズCでの大駆けが期待されるウェスタールンド 面白いのは、ウェスタールンド(せん6歳)です。

 前走のGIII武蔵野S(11月10日/東京・ダート1600m)では7着。その結果、相当人気を落としそうですが、パトロールビデオをよく見ていただければわかるとおり、道中で何度も接触がありました。とくに3コーナーでは、外のインカンテーション(牡8歳)と激しくぶつかり合って、これでは競馬にならないのも仕方がありません。

 この1戦を除けば、ダートに矛先を変えてからの3戦は、すべて内容の濃いレースばかり。とりわけシリウスSでは、オメガパフュームにクビ差の2着に迫る圧巻の競馬を披露しました。

 距離を意識してか、道中は最後方で脚をためて追走。3コーナーを過ぎたあたりから、徐々に前との差を詰めていきました。そして、最終コーナーを迎えると、一気にインを強襲。直線では最内をうまくさばきながら、鋭く伸びてきたのです。

 かなり長く脚を使っていましたが、それでも最後、ゴール板を通過してもその勢いが失せることはありませんでした。まだまだ伸びしろがあると見ています。

 今回は、差しが利きにくい中京が舞台。そこは懸念材料ではありますが、シリウスSでインから差せたことは、大きな収穫だったはずです。

 今回も、同馬の走りでイメージするのは、3、4コーナーでインを回って、直線でも内をさばいて終いの脚を伸ばす――まさに一昨年のレースを制したサウンドトゥルーのような形です。

 うまくハマれば、サウンドトゥルー同様、ウェスタールンドも大物食いが果たせると思うんですけどね。楽しみです。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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