兄ヨシダはアメリカで活躍。
「気分屋」シェドゥーヴルはどう化けるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第28回:シェドゥーヴル

 アメリカで今年、芝とダート両方のGIを制した馬がいる。

 ハーツクライ産駒のヨシダ(牡4歳)である。

 2016年にアメリカでデビューした同馬は、芝路線で頭角を現すと、3歳となった翌年に重賞を初制覇。そして4歳となった今年、5月のGIターフクラシックS(アメリカ・芝1800m)でGIタイトルを手にした。

 その後、6月には果敢にヨーロッパ遠征を敢行し、GIクイーンアンS(イギリス・芝1600m)に参戦。結果は5着に終わったものの、最後まで勝ち負けの争いに加わって、実力の一端を示した。

 そうして、快挙を成し遂げたのは、9月だった。初挑戦のダート戦、それもGIの舞台となるウッドワードS(アメリカ・ダート1800m)において、豪快な差し切り勝ちを披露。芝だけでなく、ダートでのGI制覇を果たしたのだ。

 続けて、アメリカGIの最高峰と称されるGIブリダーズカップクラシック(アメリカ・ダート2000m)に出走。歴戦の強豪馬には及ばなかったものの、直線で強襲して4着と善戦した。

 現在、アメリカを代表する活躍馬の1頭と言えるヨシダ。日本人にとって、馴染みのある名前なのは、日本のノーザンファームで生まれて、アメリカに輸出されたからだ。

 つまり、同馬の母は日本で繁殖生活を送っており、ヨシダの弟となる2歳馬がまもなくデビュー戦を迎える。

 美浦トレセン(茨城県)の木村哲也厩舎に所属するシェドゥーヴル(牡2歳/父オルフェーヴル)である。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る