札幌記念は3頭のハナ争いに注目も、
鼻高々になっちゃうのは別の馬 (3ページ目)
馬の能力とは少し違う面から触れてきましたが、今回はここまでに触れてきた"展開"によって、勝負の行方が左右される気がしています。
というのも、定量のGII戦ともなれば、実力馬が展開に左右されることなく、力の違いを見せつけることが多いのですが、今回は実績上位馬にそこまでの信頼が置けないからです。
実績ナンバー1のマカヒキは休養明け。休養前の成績も今ひとつでした。残り2頭のGI馬、ネオリアリズム(牡7歳)とモズカッチャン(牝4歳)も、ドバイ遠征からの帰国初戦。しかも、そのドバイはともに完敗でしたからね。
そこで注目したいのは、3歳秋の昨秋に引き続き、年明けから芝の中距離戦線で大暴れしている明け4歳勢。なかでも、GIタイトルこそありませんが、GI馬とそん色ない能力を見せている、ミッキースワロー(牡4歳)に食指が動きます。
GI級の能力を秘めているミッキースワロー 昨秋のセントライト記念(中山・芝2200m)がまさにそうでした。菊花賞(京都・芝3000m)のステップレースだったとはいえ、皐月賞馬のアルアインを並ぶ間もなく差し切りました。その決め手は、GI級の能力を秘めている証です。
本番の菊花賞は6着。歴史的な不良馬場に加え、3000mという距離の影響もあったと思います。その後、年明けのアメリカジョッキークラブC(2着。1月21日/中山・芝2200m)、GI大阪杯(5着。4月1日/阪神・芝2000m)は、それこそ展開のアヤと見ています。
それらのレースを振り返ってみると、まだ気性的に幼いのか、スイッチが入ると一気にエンジンがかかってしまっているように見えました。ゆえに、展開次第で仕掛けのタイミングが難しくなるのだと思います。
勝っているのは、スローの上がり勝負のレースばかりなので、速い流れは向かないように見えます。しかし実際は、レースが流れてくれたほうが、仕掛けのタイミングが合うと思うんですよね。
今度の札幌記念では、これまでに見せたことのない、それこそ秋の大舞台が楽しみになるような、新たなミッキースワローにお目にかかれるかもしれませんよ。
というわけで、今回の「ヒモ穴馬」には、このミッキースワローを指名したいと思います。
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著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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