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札幌記念は3頭のハナ争いに注目も、
鼻高々になっちゃうのは別の馬

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 暑い日が続いていますが、お盆をすぎてから、その暑さもやや落ち着いてきたように感じます。北海道の札幌では、もう真夏といった感じはなく、だいぶ涼しくなっているようですね。この週中には大雨が降ったこともあって、最高気温が20度に届かない日もあったそうですよ。

 その札幌では今週、夏の間に開催される唯一のGII戦、札幌記念(8月19日/札幌・芝2000m)が行なわれます。中央競馬のGIIの中では最も賞金が高く、「スーパーGII」とも呼ばれる一戦で、夏の北海道シリーズのメインイベント的なレースです。

 当初はダートで行なわれていましたが、その頃からトウショウボーイ(1976年)が出走するなど、スターホースがしばしば参戦。1990年から芝レースとなって、1997年からGIIに格上げされると、以降は古馬ならGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)へ、3歳馬なら三冠最終戦へ向けての始動戦として、GI級のトップホースの参戦が一段と増えました。

 1997年、1998年には、女傑エアグルーヴが出走して連覇を達成。翌1999年には、二冠馬(皐月賞、菊花賞)セイウンスカイが挑んで快勝しました。他にも、敗れはしましたが、その年のダービー馬ジャングルポケット(2001年、3着)が参戦するなど、毎年のように一流どころが出走し、札幌のファンを沸かせてきました。

 近年は、以前に比べるとスターホースの参戦も減ってきたような気もしますが、2014年には桜花賞馬のハープスターと、当時の古馬最強馬ゴールドシップがマッチレースを披露。一昨年には、マイル路線から中距離路線に舵を切ったモーリスが出走して話題になりました。

 そして、昨年はGI馬の参戦はありませんでしたが、今年はダービー馬マカヒキ(牡5歳)をはじめ、3頭のGI馬が出走。GI馬以外にも、上り調子で勢いのある馬が顔をそろえて、非常に見応えのある一戦になりそうです。

 そんな今年の札幌記念で、まず注目しているのは、どの馬が先手を取るか、どの馬がハナを切るか、ということです。

 逃げ馬、先手を取る馬は、レースの流れ、展開を作る存在です。ゆえに、逃げ馬がいるのか、その逃げ馬はどんな馬なのか、ということによって、レースの結果が変わってきます。

 今回は、そうした先手を主張しそうな馬が複数参戦してきました。しかも、それらの馬は逃げたときに好結果を出しているので、どの馬が先手を取るのか、より注目しているわけです。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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