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宝塚記念の穴馬「この3頭半端ないって。
そんなん来いひんやん、普通」 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Shutterstock/AFLO

 翻(ひるがえ)って、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、松田記者とは"逆"の見解を示す。

「今年に関して言えば、阪神は昨年の第4回開催から好天に恵まれて、いいコンディションを保ってきています。今開催でもレコードに近い時計が連発していて、路盤の硬い高速馬場と判断していいでしょう。

 今週は梅雨らしい天気が続くようで、馬場の渋化が残る可能性はありますが、それでも気温が上がれば、馬場の乾きは早く、レース当日に雨が上がれば、好コンディションのまま時計は速くなりそうです。また、やや重になったとしても、極端に時計が遅くなることはないと思います。

 あと、夏競馬の格言にある『格より出来』は、宝塚記念には半分しか当てはまりません。実は"格"や実績も非常に重要。過去10年の結果を見ても、1、2着馬のすべてがGI、もしくはGII勝ちの実績がありました。もちろん、もう半分の"出来"に関しても、小柄な牝馬が健闘していることから、その必要性は明白です」

 こうした分析から、吉田記者は2頭の穴馬を推奨する。

「まず面白いのは、ここに来ての成長力は半端ないストロングタイタン(牡5歳)。実績に関してはGIIIまでの勝ち鞍しかないのですが、そもそも宝塚記念の前哨戦がコロコロと変わっていて、前走で勝ったGIII鳴尾記念(6月2日/阪神・芝2000m)が、かつて前哨戦だったGII金鯱賞(中京・芝2000m)と同じくらいの価値があると判断してもいいでしょう。

 そして、その鳴尾記念で1分57秒2のレコード勝ち。以前はスピード+パワーを生かした頑強な先行力と、早めにラップを踏む立ち回りで結果を出してきましたが、鳴尾記念ではそれを覆(くつがえ)す乗り方を見せてくれました。中団を追走して最後は最内を抜け出してくるという、デビュー以来最高の競馬でした。そのレースぶりはしっかりと評価したいですね。

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