資質はGI級のフィエールマン。
陣営の願いは「とにかく無事で...」
厳選! 新馬情報局(2018年版)
第35回:フィエールマン
「無事是名馬(ぶじこれめいば)」という競馬の格言がある。
これは「ケガなく、長い間走り続けられる馬こそ、名馬である」といった意味で、常にケガと隣り合わせのサラブレッドだからこそ、語り継がれてきた言葉と言える。
実際、高い素質を持っていながら、ケガや体質の弱さに泣いて出世できなかった馬は星の数ほどいる。ゆえに、陣営は馬を預かった時点で「とにかく無事にいってほしい」と願う。
それが、有望な馬であればなおさらである。そこには、「無事であれば、きっと活躍できる」という陣営の確信があるからだ。
デビューを間近に控えた3歳馬の中にも、スタッフから「とにかく無事に......」と大きな期待をかけられた馬がいる。美浦トレセン(茨城県)の手塚貴久厩舎に所属するフィエールマン(牡3歳/父ディープインパクト)である。
まだデビュー前でありながら、すでにスタッフからはその素質に対して絶賛の声が上がっているという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
「手塚調教師の評価がすこぶる高く、『フィエールマンは相当走るよ』と手放しで称えています。現に追い切りでも、新馬を快勝したレッドイリーゼを後ろから追いかけていって、きっちり先着。昨年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(2017年12月10日/阪神・芝1600m)で3着に入ったマウレアとも併せて、互角以上の走りを見せています。厩舎の期待は本当に大きくて、『順調にいけば、重賞やGIで通用しそう』と威勢のいいコメントばかり聞かれます」
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