朝日杯FSの人気馬に疑問。
穴党記者は鼻息荒く「稼げる2頭」を叫ぶ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 今年も残すところ、中央のGIレースはあと3戦。12月17日には2歳GIの朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)が行なわれる。今年から、同じ2歳戦のホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)がGIに格上げになったものの、顔ぶれが手薄になることなく、GIに相応しい好メンバーがそろった。

 ただ「例年とは異なる点がある」と、日刊スポーツの松田直樹記者が言う。

「今年はホープフルSがGIに昇格したことで、陣営の、それぞれのレースに向けた管理馬の起用法が明確に分かれたように思います。というのも、ホープフルSに向かう馬に比べると、朝日杯FSに挑んできた馬は、短距離志向、もしくは完全にマイラーといったタイプが明らかに多く、来年のNHKマイルC(東京・芝1600m)あたりを見据えた馬たちが出走してきた印象が強いからです。実際、芝の1600mよりも長い距離で勝ち鞍がある馬の登録は4頭(出走は3頭)のみ。阪神移設後の2014年以降では、最少頭数です。

 そうした状況を踏まえてレース展開を考えてみると、例年以上に速い流れでレースが進む可能性が高いです。GIII函館2歳S(7月23日/函館・芝1200m)の勝ち馬カシアスや、GIII小倉2歳S(9月3日/小倉・芝1200m)を制したアサクサゲンキなど、短距離重賞馬もこぞって名を連ねているので、なおさらでしょう。

 牝馬限定の阪神ジュベナイルフィリーズを含めて、阪神開催の2歳GIは2012年以降の9鞍中、8回はメンバー3位以内の上がりタイムを記録した馬が優勝しています。朝日杯FSに限れば、3年連続でメンバー2位以内の末脚を使った馬が戴冠。そうした傾向が一層強まりそうな今回は、最後まで脚を温存できる競馬センスと脚力が、より問われるのではないでしょうか」

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