香港競馬は大チャンス。「日本の人気」が
見逃す実績馬がゾロゾロいる

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 日本における香港国際競走の馬券発売も2年目となる。どうしても心情的なものや情報量の多さから日本馬の"応援馬券"に流れがちだが、昨年も香港スプリントでビッグアーサーやレッドファルクスが過剰人気となり、地元の実績馬同士の決着でありながら"意外な"高配当となった。その教訓を生かし、冷静に出走馬を検証しながら穴馬を探したい。

香港ヴァーズに出走するゴールドマウント香港ヴァーズに出走するゴールドマウント まず、香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)。一昨年の勝ち馬で、このレースで引退となるアイルランドのハイランドリール(牡5歳/父ガリレオ)が人気の中心となりそうだが、これには無理に逆らう必要はなさそうだ。昨年もサトノクラウンに敗れはしたが、3着以降は完全に突き放していた。今年も成績そのものに物足りない面はあるが、例えば、2走前の英チャンピオンS(10月21日/アスコット・芝1993m)も、柔らかい馬場を嫌って終始外ラチ沿いを走り、最後の直線も一旦は置かれ気味になりながら、最後はファイトバックしての3着だった。得意のシャティン、しかも良馬場ならば、普通に回ってきて、普通に勝つだろう。

 日本のオッズではキセキ(牡3歳/父ルーラーシップ)とトーセンバジル(牡5歳/父ハービンジャー)の日本の2頭がこれに続くと予想する。キセキに関しては皮膚病の報道はあったが、調教そのものは休ませておらず、香港入りしてからもしっかりと調整された。レイデオロを物差しに考えても、軽視はできない。しかし、トーセンバジルはどうか。ここまで順調に使えなかったとはいえ重賞未勝利。騎乗するジョアン・モレイラ騎手は実際に追い切りにも乗ったうえで「上位4頭には入れないとしたら、逆に驚き」と手放しで高評価を与えているが、ここは過剰人気になると予想する。

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