実は荒れる毎日王冠。人気GI馬に隠れた「3頭の穴馬」が王冠を奪う (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 前走の関屋記念(8月13日)は4着と敗れたものの、勝ち馬とはコンマ3秒差と、内容的には決して悪くなかった。先述のエアソミュールやサンレイレーザーにしても、前走では結果を残せなかったが、それなりの競馬を見せて使ってきた強みをここで生かしている。

 また、エアソミュールとサンレイレーザーは、波のあるタイプではあるが、もともとオープン特別や重賞での好走実績があった。それは、ヤングマンパワーも同じ。2走前のGI安田記念(6月4日/東京・芝1600m)では16着と大敗しているものの、その前にはGIIマイラーズC(4月23日/京都・芝1600m)で3着と奮闘している。

 そもそも重賞3勝の実績を持つヤングマンパワー。甘く見るのは禁物だろう。

 穴馬候補としては、もうひとつ「3歳馬」という要素もある。過去、3歳馬が波乱の立役者となっていることが結構あるのだ。

 代表的なのは、2010年。1着アリゼオと2着エイシンアポロンはともに3歳馬で、前者が6番人気、後者が8番人気の伏兵だった。

 前述のジャスタウェイも、2012年に2着となったときは3歳時。そのときは、12番人気の大穴だった。

 この3頭は、3歳春のGIでは大敗を喫していた。その分、人気を落としていたが、伸び盛りの3歳夏。休養中に成長した能力が、休み明けでいきなり示されたのだろう。

 とはいえ、休養中の成長だけで、古馬相手の重賞で好結果が出せるはずもない。3頭はそれ以前に重賞を制したことがあり、いずれも高い資質を秘めていたのである。

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