「明け4歳・最強世代」の上位独占
なるか。この1年を占う日経新春杯

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 2017年の中央競馬が開幕しました。例年なら、1月5日の初日を皮切りに、成人式を含む連休が3日間開催。年明け早々、過密日程の変則開催となって非常に忙しくなるのですが、今年は成人式の日に開催がなく、サークル内の雰囲気はわりと落ち着いていたように感じます。

 そして、今週からは早くも通常の日程に戻ります。重賞は、古馬牝馬限定のハンデ戦となるGIII愛知杯(1月14日/芝2000m)が中京で、3歳馬限定のGIII京成杯(1月15日/芝2000m)が中山で、古馬のハンデ戦となるGII日経新春杯(1月15日/芝2400m)が京都で開催されます。

 なかでも注目は、明け4歳馬が主力となる日経新春杯でしょう。

 昨年末の有馬記念、勝ったのは唯一の3歳馬サトノダイヤモンドでした。同レース前のコラム(※12月24日配信「決め手不足のサウンズオブアースが有馬記念でなら狙える理由」)でも触れましたが、世間で言われているとおり、昨年の3歳世代は本当にレベルが高かったと思います。

 結局のところ、昨春の弥生賞のレース後、3着に敗れたエアスピネルの手綱を取っていた武豊騎手が、「不思議な感覚」と発した言葉にすべてが集約されていましたね。例年であれば、クラシックを勝てる"器"と思っていた馬に騎乗しながら、その前をいく馬が何頭もいたことによる驚きを表したコメントですが、数々の名馬の背中を知る名手の感覚は本当に的を射ていたと思います。事実、クラシックも、有馬記念もそのとおりの結果になったわけですからね、さすがです。

 そして今年、その世代、つまり明け4歳馬たちが重賞戦線で主力を形成するのは間違いありません。なかでも、有馬記念を制したサトノダイヤモンド、ダービー馬のマカヒキ、皐月賞馬のディーマジェスティ、そして年明けの京都金杯を快勝したエアスピネルらが中心的な存在になるでしょう。

 この日経新春杯にはこれら世代トップクラスほどの実績はありませんが、徐々に頭角を現してきた明け4歳馬が4頭出走します。今後の成長次第では、中心視される先の「世代トップ4」に迫る可能性を秘めた馬たちです。

 実績的には、青葉賞(2016年4月30日/東京・芝2400m)2着のレッドエルディスト(牡4歳)が筆頭格でしょうか。ただ、その後のダービー(9着。5月29日/東京・芝2400m)、秋になってからの神戸新聞杯(3着。9月25日/阪神・2400m)、菊花賞(9着。10月23日/京都・芝3000m)と、それぞれの結果、内容からして「トップ4」とはまだ差があるように感じます。

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