「サトノ」はダービーを獲れるのか。大盛況のセレクトセール報告
7月11、12日の両日、今年も日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール2016」(主催・JRHA日本競走馬協会)が、北海道苫小牧市のノーザンホースパークにて行なわれた。
昨年、131億7350万円(2日間)を売り上げ、3年連続で史上最高額を更新し、勢いがとどまるまるところを知らない同セール。ここ1年でも、エイシンヒカリ、モーリス、リアルスティールらが海外で相次いでビッグレースを勝利し、日本産馬への海を越えての関心が尽きないこともあって、今年も好調が期待された。フタを開けてみれば、売却総額149億4210万円と、昨年の記録をさらに大きく更新。1億円を超えた馬も過去最多の23頭となっただけでなく、平均落札価格の3831万円も記録となり、全体にわたって活況となった。
それでもセリの好況を支えたのは、いわゆる大物馬主の購買力で、毎年主力となるミリオネアは今年も健在。中でも存在感を大きく示したのが、「サトノ」の冠で知られる里見治氏であった。毎年のようにその世代の目玉となる馬を所有するも、GI勝利はいまだなく、2年連続でダービー2着(15年サトノラーゼン、16年サトノダイヤモンド)の無冠の帝王だが、その悲願に向けて並々ならない執念を発揮した形になった。
2億8000万円の値がついたイルーシヴシェーヴの2016
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