1強説に異議。「オークスで金星」の条件にピッタリはまる2頭を発見 (5ページ目)
今年、このメイショウマンボに似たタイプが1頭いた。デンコウアンジュである。
同馬は、阪神JF7着、桜花賞10着と、それぞれのGI戦では大敗しているものの、阪神JFでは慣れない先行策が裏目に出た。桜花賞では直線で進路が詰まって力を出し切れずに終わった。つまり、いずれも“明確な敗因”があって、オークスで逆転できる“伸び率”は十分にある。
加えて、デンコウアンジュも重賞ウイナーである。2歳時にGIIIアルテミスS(2015年10月31日/東京・芝1600m)を制覇。それも、2着に負かしたのはメジャーエンブレムだった。大舞台で結果を残せるだけの“資質”を秘め、メイショウマンボと同じく、大金星を挙げる可能性は大いにある。
シンハライトの実績を考えれば、「1強」と言われるのは当然のことだ。とはいえ、うら若き3歳牝馬の戦いである。まして、どの馬にとっても未知の距離となる2400m戦が決戦の舞台。過去のオークスがそうだったように、波乱が起きる条件は今年も整っている。
著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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