【競馬】矢作調教師がダービー2勝目を目論むリアルスティール
2015年クラシック候補たち
第1回:リアルスティール
ディープブリランテで2012年の日本ダービー(東京・芝2400m)を制した矢作芳人調教師(栗東トレーニングセンター/滋賀県)。競馬界最高峰のタイトルを手にした同師は今年、早くも2度目のダービー制覇を意識させる馬にめぐり会った。1戦1勝のリアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)だ。
デビュー戦で評判どおりの強さを見せたリアルスティール。 リアルスティールは、昨年12月27日の2歳新馬(阪神・芝1800m)でデビュー。好スタートからスッと中団に下げると、最後は軽く仕掛けただけで2着以下を3馬身半突き放した。驚くべきは、ラスト600mでマークした33秒3という破格の上がりタイム。そのパフォーマンスは、「クラシック候補」にふさわしいものだった。
デビュー戦を迎える前から、矢作調教師のリアルスティールに対する期待度は並大抵のものではなかったという。関西競馬専門誌のトラックマンが語る。
「矢作厩舎では、兄のラングレー(牡4歳/父ディープインパクト。今年1月にオープン入り)も管理しており、同馬も昨春はクラシック候補と騒がれていました。結局、ラングレーはクラシックには出走できませんでしたが、リアルスティールには兄が果たせなかった夢を託しているのではないでしょうか。なにしろ、矢作先生が『リアルスティールは兄より2枚くらい上の逸材』と言って、相当な期待を持っていますからね。ディープブリランテと比較するようなコメントも出るほどでしたよ。
『欲を言えば、もう少しトモ(後肢の筋肉)がしっかりしてほしい』とも話していましたが、これは求めるものが高いからこそ。第一、『3歳春のサラブレッドとしては、言うことのない走り』と絶賛しているぐらいですから」
実際の調教でも、リアルスティールはそうした評価に違わぬ、素晴らしい動きを見せている。一戦消化したことでさらに迫力を増して、2月4日に行なわれた追い切りでは、併走した年上の馬を寄せつけることなく先着。矢作調教師が「言うことなし」と満足するほどの、抜群の内容だった。
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