【競馬】東京新聞杯は、人気の盲点ヴァンセンヌに妙味あり

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 東京開催2週目に行なわれる重賞は、東京新聞杯(2月8日/芝1600m)です。

 昨年の東京新聞杯(2014年2月17日)は、大雪に見舞われて1週間後に順延して開催されました。その際、特に苦難を強いられたのは、関西馬でした。本来行なわれる日程に合わせて東京までの長距離輸送をこなしながら、開催中止によって、レースをせずに栗東トレセン(滋賀県)に戻ることになりました。それから一週間後、再度東京への長距離輸送を経てレースに出走することになったのですから、馬にかかった負担は計り知れません。

 しかし、そんな逆境にあっても、2着に好走した関西馬がいました。エキストラエンド(牡6歳)です。同馬は2度の長距離輸送をこなしながらも、ゴール前で差し返すほどの勝負根性を見せました。その前のレース、京都金杯(2014年1月5日/京都・芝1600m)で重賞初制覇を飾ったあとで、状態自体がすごくよかったのでしょうね。

 そのエキストラエンドが今年も出走します。臨戦過程も昨年同様、京都金杯(1月4日)からの参戦。結果は2着でしたが、勝ったウインフルブルーム(牡4歳)に際どく迫る内容で、昨年と遜色ない出来にあると思います。鞍上も、昨年と同じクリスチャン・デムーロ騎手。昨年2着の雪辱を晴らすことができるのか、注目ですね。

 ちなみに、昨年の勝ち馬ホエールキャプチャ(牝7歳)は関東馬で、開催中止の週は美浦トレセン(茨城県)から出発することなく、俗に言う「空輸送(からゆそう/レースをしないで帰ること)」もせずに済んだようです。それが、大きなアドバンテージになったかもしれませんね。

 逆に、同じ関東馬でもレース3日前に東京競馬場への輸送を終えていた馬もいました。サトノギャラント(牡6歳)です。同馬は結局、レースをせずに美浦トレセンに帰ることになり、翌週のレースで再び東京競馬場までの輸送を強いられました。そうした負担が影響したかわかりませんが、レースでは5着に終わってしまいました。

 そんなサトノギャラントも、今年のレースに参戦。昨年の雪辱に燃えていることでしょう。

 スタートがあまりうまくない同馬は、後方からの競馬になることが多くなりがちです。その点、スタートしてからしばらく直線が続き、最後の直線も長い東京のマイル戦はベストな条件と言えるでしょう。ベストパフォーマンスの走りを見せたのも、同舞台で行なわれた一昨年のキャピタルS(2013年11月23日/東京・芝1600m)だったと思います。以来、勝ち星から遠ざかっていますが、得意の舞台でこれまでの鬱憤を晴らしてほしいものです。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る