【競馬】チャンピオンズCの穴は鞍上強化のクリノスターオー

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年から開催場所を中京競馬場に移して、レース名もジャパンカップダート(以下、JCダート)からチャンピオンズカップ(ダート1800m)に変更された「ダート王決定戦」が12月7日に開催されます。

 舞台が阪神から中京に移って大きく変わるのは、回り。右回りから、当初JCダートの舞台となっていた東京と同じ左回りへと戻ります。これには、アメリカからの参戦を促す意味があるそうですが(アメリカの競馬は三冠レースのすべてがダート戦で行なわれているようにダート戦が主流。コースは左回り)、日本馬にとっても、大きな影響を及ぼします。

 なにしろ、JRAのダートGIは、2月のフェブラリーS(東京・ダート1600m)と、このチャンピオンズカップのみ。つまり、ともに左回りになったことで、ダート路線で天下を取るには「左回りが得意」であることが大前提になったのです。

 競走馬というのは、手前(※1)の関係や脚の振り方、ハミ(※2)のもたれ方によって、右回りのほうが得意な馬、左回りのほうが得意な馬がいます。ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、左回りで1、2回走って成績が悪かったとしても、それで「左回りが苦手」とは言い切れないこと。というのは、JRAの開催競馬場は全国に10箇所ありますが、そのうち左回りは、東京、中京、そして新潟の3箇所だけ。左回りのレース自体が少なく、しかも美浦(茨城県)、栗東(滋賀県)それぞれのトレセンで使用する調教コースもほとんどが右回りで、競走馬が左回りに慣れていないケースが多いからです。

※1:馬の脚質。馬が走るとき、右前肢を左前肢より常に前に出して走ることを右手前という。逆の場合は、左手前。通常、左回りの場合は左手前で、右回りの場合は右手前でコーナーを走る。
※2:馬の口に噛ませる棒状の金具。それが騎乗者の手綱につながっていて、騎手は手綱からハミを通じて馬を動かす。

 その慣れ具合は、馬の個性による部分が大きいので何とも言えませんが、何戦か様子を見る必要があるでしょう。すぐに慣れる馬もいれば、結構な数のレースをこなしてから、急に左回りで結果を出すような馬もいますからね。もちろん「慣れ」の問題だけでなく、馬体の左側に古傷があったり、左肢が外向(肢先が外側を向いていること)していたり、物理的な要因で左回りが苦手な馬もいます。しかしこういった情報は、一般のファンにはなかなかつかみづらいもの。その辺は、少し歯がゆさを感じてしまいますね。

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