【競馬】トレセンで評価高まる、名牝ビリーヴの娘
厳選!2歳馬情報局
第8回:フィドゥーシア
2000年代前半のスプリント界を席巻した、牝馬のビリーヴ。その短距離女王を母に持つフィドゥーシア(牝2歳/父メダグリアドーロ)の評価が、デビュー戦を間近に控えて急上昇している。
名スプリンターとして一時代を築いたフィドゥーシアの母ビリーヴ。 母のビリーヴは、現役時代(2000年~2003年)に10勝を挙げた名牝で、その勝利すべてが1200m戦という生粋のスプリンターだった。重賞は通算4勝。2002年のスプリンターズS(新潟・芝1200m)、2003年の高松宮記念(中京・芝1200m)と、GIタイトルもふたつ手にしている。
現役を退いたあと、ビリーヴはアメリカで繁殖生活をスタートした。5番目の子となるフィドゥーシアも、アメリカで生まれて、日本に輸入された産駒である。
母と同じ栗東の松元茂樹厩舎所属となったフィドゥーシアは6月、早々にゲート試験をパスすると、いったん放牧に出されて休養に入った。そして7月30日、再び栗東トレーニングセンターに戻ってきてからは、精力的な調教を消化。その動きの良さが、関係者の間で話題になっている。
調教過程を見守ってきた関西競馬専門紙のトラックマンも、「フィドゥーシアには高い素質を感じる」と絶賛する。
「調教の動きは、明らかに水準以上ですね。8月の暑い時期でもコンスタントに乗り込めていますし、牝馬でありながら、体の強さを感じます。母は1200mのスペシャリストでしたが、この馬は母よりバランスのいい体つきで、距離ももう少しこなせるのではないでしょうか」
距離については、陣営も母より融通がきくと考えており、9月14日の2歳新馬(阪神・芝1600m)をデビュー戦に見据えているという。コンビを務めるのは、母の初GI制覇をエスコートした武豊騎手。名手を早々に確保しているあたり、フィドゥーシアに対する陣営の期待の大きさもうかがえる。
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