【競馬】名伯楽が「運命」をかけたワンアンドオンリー
日本ダービー特集(2)
ワンアンドオンリー編
競馬に携わる人々にとって、最高の舞台となる日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)。もしその一戦に、自分とゆかりある血統のサラブレッドで挑めるなら、ホースマンとしてこれほど幸せなことはないだろう。今年のダービーで有力馬に挙げられているワンアンドオンリー(牡3歳)は、そんなホースマンの夢を叶える一頭と言えるだろう。
強烈な末脚を秘めるワンアンドオンリーがダービーに挑む。 まずはワンアンドオンリーを管理する橋口弘次郎調教師が、幸せなホースマンのひとり。ワンアンドオンリーはかつて自身が管理し、2004年のダービーで2着(1着=キングカメハメハ)と涙をのんだハーツクライの子である。
定年まであと2年となった名伯楽は、2着こそ4度も経験しているものの、いまだダービーの栄冠は手にしていない。しかし調教師人生の晩年を迎え、自身にとって、まさしくゆかりある一頭に悲願を託すのである。そこに秘めた思いは計り知れない。
さらに、ハーツクライのときと同じ横山典弘騎手を背にして決戦の舞台へと向かう。橋口調教師の気持ちはますます昂(たか)ぶっていることだろう。
実際、それを象徴するような出来事があった。
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