2014.05.16

【競馬】なぜ今、強い牝馬が続出しているのか

  • text by Sportiva

元祖オークス男
嶋田功が語る「牝馬の世界」(前編)

春のGI戦線は、これから牝馬の戦いが続く。古馬GIのヴィクトリアマイル(5月18日/東京・芝1600m)、そして牝馬クラシックのオークス(5月25日/東京・芝2400m)である。さらに、6月1日に開催される日本ダービーにもレッドリヴェール(牝3歳)が参戦。牝馬たちの奮闘から目が離せない。そこで、現役時代にオークスを5勝し、「牝馬の嶋田」と称された元騎手であり、元調教師でもある嶋田功氏に、牝馬の特徴と牝馬レースの醍醐味について話を聞いた。まず前編の今回は、2007年のダービーを制したウオッカをはじめ、ここ数年”女傑”と言われる名牝が次々に登場している理由を分析してもらい、ヴィクトリアマイルにおける注目馬を教えてもらった。

史上初の牝馬でGI7勝という快挙を成し遂げたウオッカ。――2007年のダービーを制したウオッカをはじめ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど、近年は牡馬混合のGI戦でも優勝する名牝がどんどん出てきています。なぜ今、強い牝馬が続々と出てきているのでしょうか。

嶋田 まず言えるのは、今は日本の競走馬全体のレベルが、昔とは比べものにならないほど上がっているということ。特に最近は、社台グループを中心とした大手の競走馬がほとんどで、血統的な裏付けがしっかりしている。馬体もいい馬ばかり。加えて、今は育成段階から、トレーニングや飼い葉においても、馬それぞれに合わせている。そうやって育ってきたハイレベルな馬たちの中から、たまたま強い牝馬が出てきた、ということだと思う。

――それにしても、ウオッカのダービー制覇は64年ぶりですし、2008年に有馬記念を勝ったダイワスカーレットは37年ぶりの快挙でした。さらに、過去5年のジャパンカップの勝ち馬は、2010年のローズキングダム(1着入線のブエナビスタが進路妨害で2着降着)を除けば、残り4回は牝馬が勝っています(2009年=ウオッカ、2011年=ブエナビスタ、2012年、2013年=ジェンティルドンナ)。過去にこんな例はありません。

嶋田 昔だって、トウメイ(1971年の天皇賞・秋、有馬記念優勝)とか、牡馬相手に大レースを勝つ馬がいた。そういう意味では、昔と比べて、今の牝馬が特別に強くなったとは思っていない。今も昔も、牡馬、牝馬が産まれる確率は半々なのだから、その中から強い馬が出る確率は変わらないと思うよ。