【競馬】春のクラシックは、2014年もディープ産駒が「主役」

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 山根英一/アフロ●撮影

 1月5日の金杯(中山金杯=芝2000m、京都金杯=芝1600m)からスタートする中央競馬(JRA)。注目はやはり、明けて3歳となる馬たちが競う、春のクラシック(牝馬=桜花賞、オークス。牡馬=皐月賞、ダービー)戦線だ。

 現在、牝馬、牡馬、それぞれの評判は、以下のような声が大半を占めている。

「牝馬は男勝りでレベルが高い。片や、牡馬は主役不在の大混戦」

 昨夏、函館(1着クリスマス/7月21日/函館・芝1200m)、新潟(1着ハープスター/8月25日/新潟・芝1600m)、札幌(1着レッドリヴェール/8月31日/函館・芝1800m)、小倉(1着ホウライアキコ/9月1日/小倉・芝1200m)で開催された2歳重賞レースは、すべて牝馬が制した。そのときから、そうした評価はまったく変わっていない。というのも、昨年暮れに行なわれたクラシックを占う主要なレース結果が、その評価を改めて実証するものとなったからだ。

阪神ジュベナイルフィリーズでは惜敗したものの、牝馬クラシックで躍進が期待されるハープスター。阪神ジュベナイルフィリーズでは惜敗したものの、牝馬クラシックで躍進が期待されるハープスター。 まず牝馬は、2歳女王決定戦となる阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF/12月8日/阪神・芝1600m)が、評判どおりハイレベルな一戦となった。勝ったのは、極悪馬場の札幌2歳Sで豪快な差し切り勝ちを収めたレッドリヴェール。新潟2歳Sを圧勝して、断然の人気を集めたハープスターとの叩き合いをハナ差制した。

 1分33秒9というタイムも優秀だったが、何より牡馬を蹴散らしてきた重賞馬2頭のゴール前の競り合いが圧巻だった。凄まじい迫力で、この世代の牝馬のレベルの高さを十分にうかがわせた。このままクラシックも、この2頭を中心にして、高い次元の争いになっていくだろう。

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