【競馬】二冠達成なるか!? ロゴタイプに託された「血の運命」 (3ページ目)
袴田氏によれば、その後、スプリングS、皐月賞とレースを勝って帰ってくるごとに、馬体の充実ぶりが目覚しくなってきているという。
「(私は)間隔を開けて(ロゴタイプを)見ているので、再会する度に見た目にも体に実が入ってきたのがよくわかります。朝日杯の頃は『もしかして強いのかな』と半信半疑だったのが、今では自信を持って『強い』と言えます」
気になるのは、5月26日に挑む大一番、ダービー(東京・芝2400m)の距離だ。父ローエングリンは軽快なスピードを武器にマイル戦を主戦場とした。
「それも、まったく心配していません。ローエングリンの配合そのものは、このぐらいの距離を意識したものでしたし、実際に走らせてみても、スタミナがありました。また、ロゴタイプ自身は折り合いに難がなく、オンオフの切り替えがうまい。これも大きな武器です」(袴田氏)
普段はほとんど手が掛からず、多少のことには動じない一方で、何かがあったときの反応はとても鋭く、それでいて若い馬にありがちなパニックにも陥らないという。
「(ロゴタイプの父)ローエングリンも、(祖母の)スターバレリーナも、力はありながらあと一歩足りなかったんですが、その両方の血を受け継ぐこの馬が、ダービーで有力馬となるというのは、とても感慨深いですね」(袴田氏)
“社台ブランド”の盛隆は、およそ浪花節の対極にあるとも思えるが、このような血にかける強い思いこそが、強靭な礎(いしずえ)なのかもしれない。
競馬は、血のドラマだ。受け継がれる「血」という名のバトンを握り締め、ロゴタイプはダービーのゴールを目指す。
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