【競馬】質はクラシックを席巻した昨年以上。ディープ第3世代も大物ズラリ

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

昨年のセレクトセールで、3億6000万円で落札されたディープインパクト×エアグルーヴの子(馬名:ラストグルーヴ)昨年のセレクトセールで、3億6000万円で落札されたディープインパクト×エアグルーヴの子(馬名:ラストグルーヴ) いよいよ秋競馬がスタート。まもなく本格化するGIシリーズは必見だが、一方でこれから有力馬が続々と登場する2歳馬戦線からも目が離せない。なかでも注目は、やはりディープインパクト産駒だ。

 ディープにとって3世代目にあたる今年の2歳馬は、夏のローカル開催が終わった8月末の段階で、勝ち鞍は計7勝。新馬戦の開始時期などに違いがあるため単純に比較はできないが、初年度は6勝、2年目は5勝だから、数字自体はほぼ例年並みと言える。しかし、過去2年と比較すると、産駒のレベルは一層上がっている。

 その代表格が、2歳戦が解禁となった初日にデビューしたラウンドワールド(同レースは3着。通算4戦2勝)。夏の2歳Sの中で「最もレベルが高い」言われた札幌2歳Sでは2着に止まったものの、「勝った馬(コディーノ)とは通ったコースと、札幌のような小回りコースへの適性の差。東京や京都のような広いコースなら逆転もあり得る」(競馬専門紙記者)と、デビュー前から「クラシック候補」と言われた評価は揺るがない。

 すでにこれだけの大物が出ているうえ、今年は夏の段階で他の素質馬も次々に新馬戦を快勝。なかでも、アドマイヤオウジャやサトノノブレスは評判どおりの強い勝ち方を見せて、一部では「ラウンドワールド以上」という声まで上がっている。確かに昨年も、のちの桜花賞、オークスで、ともに2着となったヴィルシーナなどが夏の札幌で勝ち上がっているが、ラウンドワールドを筆頭とする今年の強力布陣は、能力面、大物感、層の厚さなどにおいて、明らかに昨年より上だ。

 しかも、ディープ産駒がすごいのは、それら夏の勝ち上り組がかすんでしまうほど、これからさらに「大物」と言われる馬たちが続々とデビューを控えているということだ。

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