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【競馬】ダービー本命候補、ゴールドシップの「唯一の落とし穴」

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●写真 photo by Murata Toshiyuki

皐月賞では後続をちぎって圧勝したゴールドシップだが......。皐月賞では後続をちぎって圧勝したゴールドシップだが......。日本ダービーを占う(1)
ステイゴールド産駒、連覇の可能性

 牡馬クラシック第一弾の皐月賞は、ゴールドシップが勝った。

 中山の荒れた馬場を苦にしなかったとか、直線のコース取りが良かったなど、有利に働いた点はあるにせよ、2着のワールドエースに2馬身半差は「完勝」と言える。むろんダービーでも、ゴールドシップは最有力馬の一頭。人気的には、この馬とワールドエースが1、2番人気を分ける「2強」状態となるのではないだろうか。

 それにしても、ゴールドシップの父は、現役時代にGIでも他の重賞でも2、3着には来るが勝ち切れず、「善戦ホース」などと呼ばれたステイゴールドだ。2003年に種牡馬となり、2005年から産駒を送り出したが、その戦績から、種牡馬としてもそれほど期待が高かったわけではなかった。

 ところが、実際に産駒が競馬で走り出すや、かつての「善戦ホース」の評価は一変した。次から次へとGI級の走る馬を輩出しているのだ。そして昨年、産駒のオルフェーヴルが三冠馬となった。弾けそうで弾けず、もどかしくて仕方のなかったステイゴールドが、三冠馬の父になるとは、いったいどれだけの人が想像しただろうか。

 そのうえ、もしゴールドシップが皐月賞に続いてダービーも勝つようなら、ステイゴールド産駒はダービー連覇を達成し、2年連続で三冠馬誕生という可能性まで残すことになる。産駒のダービー連覇は、最近ではステイゴールドの父サンデーサイレンスが、1998年のスペシャルウィークを皮切りに、1999年のアドマイヤベガ、2000年のアグネスフライトと、3連覇を成し遂げているが、これは別格。勝つことさえ難しいダービーを2度も、それも連続して勝つというのは、やはり偉業だ。

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