選手を困惑させたハリルホジッチの新たな試みは、結果オーライ

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 3月24日、埼玉スタジアムでW杯アジア2次予選が行なわれ、日本はアフガニスタンに5-0で勝利。勝ち点を19に伸ばし、今年9月に始まる同最終予選進出を決めた(3月29日の2次予選最終戦でシリアに敗れても、最終予選に進出できる「各組2位のうち成績上位の4カ国」に入ることが確定したため)。

 この日、日本代表は「初めてのオーガニゼーション(組織)を試した」(ヴァイッド・ハリルホジッチ監督)。

 ピッチに立った選手たちの配置は、昨年までの見慣れた4-2-3-1ではなく、中盤がダイヤモンド型の4-4-2。選手たちが手探り状態でプレーしている様子は、特に前半、手に取るように伝わってきた。左MFを務めた柏木陽介が振り返る。

「練習でもほとんどやっていないので、正直、どう動いたらいいのかわからなかった。もう少し後ろで受けてボールをさばけばよかったのかもしれないけど、(右MFの原口)元気が下がっていたから、バランスを見て(高い位置で)プレーしていた。中(中央寄り)にいてもうまくボールを受けられないから、外(左サイド寄り)に出たが、うまくいかなかった」

 そして、柏木は「やっと動きがつかめてきたときに、交代になってしまった」と、苦笑いを浮かべた

 アフガニスタンは引いて守りを固めるため、中盤ではテンポよくボールが動いた。ワンタッチでリズミカルにパスがつながるシーンも多く、それなりに"日本っぽさ"は出せてはいた。

 しかし、最終的にどう相手DFを崩すかという点については、これといった狙いや、工夫は見られなかった。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る