選手を困惑させたハリルホジッチの新たな試みは、結果オーライ (4ページ目)
だが、この先ダイヤモンド型の4-4-2が使えるかどうかは別にして、あえてぶっつけ本番に近い形で新たなフォーメーションを試すことには、別の効果もあった。
新布陣で挑んだアフガニスタン戦。試合中も選手同士で話し合うシーンが多く見られた 選手たちは慣れない布陣に戸惑い、自然と頭を使って考え、周囲の選手たちと議論を重ねた。前半途中には、相手選手が痛んで中断していた時間を使い、長谷部が声をかけて全員を集め、ピッチ上で話し合うという珍しいシーンもあった。そうでなければ、サッカーが成り立たなかったのだ。長谷部は言う。
「試合中も(選手同士で)コミュニケーションを取っていたし、中盤の選手にはサイドに出て張ってもいいと話していた。監督も『ピッチの中では、臨機応変にやれ』と言っていた」
その結果、選手たちは戸惑いを抱えてプレーしながらも、「私の要求するアグレッシブさを出してくれた」(ハリルホジッチ監督)。
2、3月に行なわれる日本代表の試合がパッとしないのは、もはや恒例になりつつある。海外組は長距離移動と時差により、コンディションがよくない。また、国内組は新シーズンが始まったばかりで、こちらもまた、コンディションが上がり切っていない。今回の試合にしても、相手との力の差が大きいことを含め、いかにも緩んだ試合になりかねない条件がそろっていた。
それを考えれば、細かなプレーの内容はさておき、選手に刺激を与えて手綱を引き締めるという意味では、悪くない試合だったのではないかと思う。
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