若者や女性のビギナー進出で「ゴルフの風習」が変わる!?【木村和久連載】 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

 じゃあ、その代わりに今の若者はどうしているのか。ひとりでスクールに行って学ぶとは思えません。なにしろ、お金を使わない世代ですからね。

 多いのは、YouTubeで無料レッスンを観るか、自撮りによるスイングチェックでしょうか。実際、練習場に行くと、若者がスマホで自らのスイングを撮影している姿をよく見かけます。何もやらないよりはマシですが、どれだけ効果があるかは、未知数ですね。

(2)周囲を気にせずラウンドできるメンタルの強さ
 我々の世代は、絶えず前後の組を気にしながら、他人に迷惑をかけないことを常に意識してプレーしていました。スピーディーなプレーを心掛け、後ろからせっつかれないようにする。加えて、「グリーンを傷つけるな」「ディボット跡は目土で埋めろ」「ピッチマークは補修しろ」と、うるさく言われてきたものです。

 でも今のビギナーは、そもそも砂袋とスコップの使い方さえ知らない人がいますから。砂袋に砂を入れていると、「何か植えるんですか?」って、女性ビギナーから真剣に聞かれましたからね。

 無論、「これは園芸じゃないよ」と言っておきました。まあ、その子はまったくのビギナーでしたから仕方がないですが、いやはや恐ろしきZ世代です。

 ビギナーの行動パターンは、おおよそ天然タイプと真面目タイプに分かれます。

 天然タイプは、自分らのプレーの進行が遅れていることに気づいていないキャラです。お茶屋に来たら必ず休むものだと思い込んでいたり、インスタ映えする場所を見つけると撮影タイムを設けたりして、まさにゴーイングマイウェイです。

 真面目タイプは、見失ったボールを時間いっぱい探したり、打順を守りすぎてプレーが遅くなったり......。クラブの選択ミスをしたら、わざわざ乗用カートまで取りにいき、ショットのたんびに距離計でしっかり計測するとかね。こういう所作をやりすぎると、時間がかかってしょうがないです。

 やはりゴルフは周りの状況を見て、この人は叩いているから甘いオーケーにしようとか、臨機応変に対処することが大事です。

(3)ルール&マナーがないがしろ? コースの風習が変わる
 先日、ハート型のバンカーのあるコースに行きました。そこを通る際、多くのプレーヤーがスマホで撮影をしていました。もちろんコース側はウケを狙っているわけで、プレーの進行が多少遅れようとも仕方がないと思っているみたいです。

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