日本女子オープン、笹生優花ら台頭する若手を百戦錬磨の申ジエも警戒

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 今季国内メジャーの第2戦、日本女子オープン(10月1日〜4日/福岡県、ザ・クラシックGC)が開幕する。

 6761ヤードという大会史上最長の舞台で復帰を果たすのは、日本ツアーだけでも22勝を挙げている韓国の申ジエ(32歳)である。

「(日本ツアーへの参戦を)待ち焦がれていました。これまでの大会と違って、準備の面で大きく違う。4日間競技も久しぶり。まずは、ケガなどをしないようにしたい。そのうえで、いいプレーを心がけたい」

 ちょうど2週間前に来日し、リモート会見に臨んだ開幕前日の練習日が、来日に伴う自主隔離期間の解禁日だった。ハーフだけとはいえ、久しぶりのラウンドも消化した。

 つまり申ジエは、2週間以上コースに出ていない状態で、ほぼぶっつけ本番で大会に臨むことになる。調整不足は否めないだろう。だが、国内メジャーで唯一手にしていないタイトルへの意気込みは強い。

「(生涯グランドスラムは)意識しています。この大会では準優勝(2位)が2回あって、それが残念......。優勝して、この大会の歴史に名を残したい」

 直接の言及はなかったものの、すでに2勝を挙げている19歳の笹生優花や、直近のデサントレディース東海クラシックを制した20歳の古江彩佳ら、20歳前後の若手が席巻する日本のツアーを、韓国からしっかりチェックしていたという。

「ここまでの日本ツアーは、日本人選手がほとんど。協会(JLPGA)にはもっと、私たちのような外国の選手たちとの意思疎通、コミュニケーションをとっていただきたかった。テレビを見ながら(ツアーの)公平性のことは考えました」

 新型コロナウイルスの感染防止策となる入国制限によって、欠場を余儀なくされ、来日に際しても14日間の自主隔離期間が必要となる。日本ツアーを戦う外国人選手に対する救済措置を「もっと考慮してほしかった」という訴えは、百戦錬磨の申ジエといえども、若手選手の台頭には期待よりも、危機感を抱いている証左かもしれない。

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