【木村和久連載】ゴルフ人口の減少。
むしろ、いいことが多くなる? (4ページ目)
そうそう、「有名コースでゴルフをしたい」そうなんですよ。つまり、日本のゴルフ人口減少の切り札は、中国のお客さまの"ゴルフツアー"です。
ただ、中国のバブルはそう長くは続かないと思われます。だから、今のうちにそうしたお客さまをどんどん取り込んで、いっそ10年ぐらい、中国資本の会社にコースごと貸してしまってはどうでしょう。そして、その間に日本の新世代の新人ゴルファーを養成しようじゃありませんか。
こうしてみると、なんだかんだゴルフ人口が減っても、案外ゴルフ業界は儲かるし、アマチュアゴルファーは気楽にプレーができるしと、結構な時代が来る――そう予想します。
(6)最後はお金の問題
最近、年金の支給を75歳以上にしたら、倍の年金を払うなんて案が出て、びっくりしています。
男性の平均寿命が80歳程度なら、75歳から年金を支給されても5年しかもらえません。その5年の受給のために30年ぐらい年金を払うなら、自分でコツコツ積み立てしたほうがいいんじゃないですか。
そもそも年金は、自分の総支払い額よりも余計にもらえるから、加入するメリットがあるんです。そこ、よくわかっていない人が多いです。
それはそれとして、年金が崩壊した、あるいは年金がもらえないとしても、日本には生活保護というシステムがあります。そう考えると、日本は「ベーシック・インカム」という、低所得者や失業者に国から生活の基礎となるお金を支給する政策――それが確立されている社会に結構近い構造になってきているようです。
そんな状況で、ゴルフです。
それを思えば、古き名門倶楽部と大衆コースをきちんと分けて、お金持ちの遊びの部分を残すことは大事です。それによって、少数のお金持ちが多額の税金を払ってくれるのです。
我々はその税金で最低限の生活が保証される。万歳じゃないですか。
ゴルフ文化維持と高額納税者の貢献、そしてベーシック・インカムに、幸あらんことを祈ります。
木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。
『教えて! 100切り先生』好評発売中!
詳細はこちら>>
4 / 4