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松山英樹が「名コンビ」を解消。
トッププロのキャディー事情を振り返り

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 松山英樹が6年間タッグを組んできた進藤大典キャディーとの専属契約を終了した――というニュースが日本から届いた。進藤キャディーが専属として松山のバッグを担ぐのは、先日出場した日本ツアー、ダンロップフェニックストーナメント(11月15日~18日/宮崎県)が最後となった。

 松山がアマチュアだった頃から、日米ツアーを股にかけてバッグを担いできた進藤キャディー。松山より12歳年上だが、明徳義塾高、東北福祉大の先輩にあたり、松山が「大典さん!」ともっとも慕って、頼りにする存在だった。

 ふたりの戦いの中で、一番印象に残っているのは、松山がPGAツアーで初優勝を遂げた2014年のメモリアル・トーナメント。ケビン・ナ(アメリカ)とのプレーオフを制して、勝利を飾ったときだ。

 プレーオフひとホール目の18番。松山が勝利を決めるパーパットは、ピン上3mの微妙なラインだったが、実は「レギュレーションで同組だったアダム・スコット(オーストラリア)が打った同じラインを、進藤キャディーが覚えていた」という話を、あとから人づてに聞いた。

 勝利直後、松山も、進藤キャディーも、そのことを口にすることはなかった。両者が取り立ててクローズアップする必要性を感じなかったからなのか、その辺りの事情はわからないが、ふたりの"捉えどころ"が合致していて、そうした"裏話"がどちらからともなく漏れないところに、ふたりの信頼関係の厚さを感じた。

 その後もふたりで勝利を積み重ねていったが、ここで一旦、お互いが別々の道を歩むときが来たのだろう。今回の件に関して、ふたりから発表されたコメントは、ともに「感謝しかない」という言葉だった。それこそ、お互いに思いやる、心温まるものだった。

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