【木村和久連載】オヤジたちは、
なぜ高反発クラブを使わないのか? (2ページ目)
みなさん、バブル以前の、厳しいゴルフ環境で育っているものだから、非常にパンクチュアルなプレーをするのです。「OKはグリップの長さまで」とか、「打った跡は目土をするのは当然」とか、「ボールを見失ったら、みんなで探そう」とか、「バンカーショットのあとは、レーキで丁寧にならす」とかね。
気遣いはキャディーさんにまで及んで、「はいはい、キャディーさん、ドリンクは何を飲む?」と、熟女パブにいるような振る舞いをするのです。
ルール&マナーに厳しいのはもちろん、周囲への気配りがものすごいのです。
昔のアマチュアゴルファーは、貴乃花親方の理論で言えば、「道」を極めるガチンコプレーです。文字どおり「ゴルフ道」を実践してきた諸先輩たちゆえ、ひとりだけ高反発クラブを使うなんて、シャ乱Qも顔負けの"ずるい男"となってしまうのです。
もちろん、軽めのニギリをやっているでしょうから、"飛び道具"を使うわけにはいかない、という事情もありますよね。
さりとて、昭和のアマチュアゴルファーはどんなに飛ばなくても、決して"シニアティー"では打ちません。ひとりだけシニアティーで打つことが屈辱なのです。
シニアティーで打つくらいなら、ゴルフをやめたほうがいい――そう思っているシニアプレーヤーは、98%ぐらいいるんじゃないですか。
そもそもシニアティーで打っているお年寄りなんて、ほとんど見たことがないですから。
というわけで、日頃から高反発クラブを推奨している私ですが、なんで高反発クラブが普及しないのか、少しわかったような気がしました。
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