ダスティン・ジョンソン、完全復活へ。スピースを退けた圧巻のスキル (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 プレーオフ1ホール目は、同じ18番だった。先に打ったスピースは315ヤードを飛ばして、安全にフェアウェーの右サイドにボールを運んだ。が、このとき、風がフォローへと変わっていた。すかさず、スピースは自らのショットを悔やんで、こう思ったという。

「風の変化に、DJが気づかないことを願った。(自分と同じように)安全に右のフェアウェーから攻めていってほしいと思った」

 だが、ジョンソンは風の変化に気づいていた。池越えとなるアグレッシブなラインを選択し、強振したドライバーショットのボールは見事に池を越えてグリーン手前のフェアウェーを捉えた。

 池越えとなったその飛距離は341ヤード。スピースとの飛距離の差は26ヤードだったが、左ドッグレッグゆえ、ピンまでの距離はスピースが182ヤード、ジョンソンがわずか92ヤードと、非常に大きな差となった。

 結果、7番アイアンで打ったスピースのセカンドショットはグリーン奥のカラーにこぼれたが、60度のウエッジで打ったジョンソンのセカンドはピン下1mにピタリ。ジョンソンはそのバーディーパットをきっちり決めて、スピースを下した。

 ジョンソンが激闘を振り返る。

「僕はこれまで、18番では2パットのパーで逃げ切るという勝利ばかりだった。だけど今回は、入れなければいけないパーパットを、プレーオフではバーディーパットを、1パットで沈めて勝った。この勝ち方は、僕にとっては初めての経験。大きな成長だと思う」

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