「少し太った?」と言われる香妻琴乃。心身の改善でツアー初優勝は近い (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 そうした状況にあっても、香妻が少しばかり安心していることがある。それは、「昨年よりもずっと、成績が悪くなる幅が狭くなってきている」ことだ。

 昨年はいいときと悪いときの差が激しく、悪いときはとことん悪かった。70台後半から80台を叩くことも結構あった。それが今年は、一気に崩れて大叩きするようなことが少なくなった。

 問題はショットだった。昨年はショットが安定せず、香妻はかなり悩んでいた。しかし、今年のオフの合宿で「崩れる幅を少なくして、この1年間を過ごしていけるように(練習に)取り組んだ結果、悪い部分が出ても、それを早く修正できるようになった」という。

「悪いスイングは、試合中でも自分で直せるようになりました。あと、ルーティン。(昨年は)ルーティンでスイングが崩れることが多かったのですが、それを今年は、一度崩れても、意識的にいいときのルーティンに戻せるようになってきました。『こうして戻せばいいな』とか、そういうことに気づけるようになったんです。それと、昨年よりも自信を持って(スイングが)振り抜けている、というのも大きいです」

 実際、昨年の香妻はグリーンセンターを狙うような、安全に攻める試合が多く見られたが、今年はスイングの不安が解消され、ピンを狙ったショットが打てている。

 さらにショットへの自信が戻って、プレーの意識も変わった。昨年はどちらかと言えば、ミスしないようにプレーしようという気持ちが強かったが、今年はバーディーを取ろうという攻めの姿勢を重視。そのほうが、結果がいいことに気づいてからは、成績も徐々に上向いてきたという。

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