人生のどん底を味わった「元アマ王者」
パトリック・カントレーの復活劇

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 PGAツアーのバルスパー選手権(3月9日~12日/フロリダ州)は、アダム・ハドウィン(29歳/カナダ)とパトリック・カントレー(25歳/アメリカ)が熾烈な優勝争いを展開。最終日、最終18番ホールを迎えて、ともに通算14アンダーで並んでいたが、カントレーがボギーとし、パーをセーブしたハドウィンがツアー初優勝を飾った。

 ラウンド後、悔しさに打ちひしがれていたのは、最後に痛恨のボギーを叩いたカントレーだ。「今週はいいことがたくさんあった。ただ、最後はやるべきプレーができなかった......」と、がっくりと肩を落とした。

 とはいえ、昨年は一度も試合に出場していないカントレー。今季は"公傷制度"を利用してツアーを戦う彼にとって、この2位という結果は非常に大きな意味がある──。

バルスパー選手権で2位と健闘したパトリック・カントレーバルスパー選手権で2位と健闘したパトリック・カントレー ところで、このカントレーの名を覚えているだろうか?

 2011年、UCLAの学生だった19歳のときに全米オープンのローアマに輝き、翌週にはPGAツアーのトラベラーズ選手権(2日目)で、アマチュアながら「60」という驚異的なスコアをマークして大きな注目を集めた。

 さらに、2012年のマスターズでは、当時アマチュアの松山英樹を最終日に逆転して、ローアマを獲得。世界アマチュアランキング1位の座に史上最長記録となる55週間君臨するなど、将来を嘱望されたトップアマだった。

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