「自分が間違っていた...」。シード落ちの香妻琴乃が探す復活への道 (2ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 香妻は、シーズン最後の試合となった大王製紙エリエールレディスも予選落ちを喫した。2日目のホールアウト後、多くの記者に囲まれると、彼女は「今のベストのプレーがこういう結果なんだと思います」と語って、涙をポロポロと流しながら試合会場を後にした。それほど、彼女にはショックが大きく、悔しい思いばかりが募ったシーズンだったのだ。

 その後、今季のシード権を得るために出場したファイナルQT()でも44位に終わった。上位フィニッシュが叶わず、フル出場の権利を得るまでには至らなかった。それでも、主催者推薦枠を含めれば、レギュラーツアーには25試合前後は出られる予定で、シード復帰のチャンスは十分にある。
※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの大半は出場できる。

 そんな香妻に、都内で話を聞く機会があった。そこで、昨季のことや今季の目標などについて、じっくりと話を聞いた。そのときの香妻には、すでに彼女らしい笑顔が戻っていた。さまざまなイベントや仕事をこなして、充実した日々を過ごしているようだった。

 だが、改めて2016年シーズンについて振り返ってもらうと、せつない表情を浮かべて冒頭の言葉を漏らした。さすがに、こちらも言葉を発することに窮してしまった。すると、彼女のほうからこう切り出した。

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