【木村和久連載】あなたは大丈夫?「こじらせゴルファー」の憂鬱 (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 でも、仕切り直したからと言って、いいショットが出たかどうかは、謎です。時間内にスムーズに進行すれば、一緒のパーティー的には気持ちがいいでしょ。そっちを優先させますね。

◆イップスにかかる
 イップスは精神的なものが多く、賭博の自由な国では多額の金額を賭けると、「首が回らなくなって動けなくなることがある」と、まことしやかに囁かれています。

 でも、松山英樹選手なんかは、最終日の最終ホールで優勝を争っている状況であれば、1打、数千万円とか億単位の勝負をしているわけでしょ。あくまでも、トーナメントの賞金額の話ですけど、そこで平然とプレーしているんですから、本当にすごいですよね。普通の人なら、「これを外したら、何千万円も損をする」と思ったら、間違いなく手が震えますよ。

 勝負事をしない人でも、トラウマでイップスになっている人が結構います。例えば、ドライバーで打つと、必ずチーピン(左に曲がる球)が出るから打てない、という方がいました。「大丈夫、左はOBがないし、広いフェアウェーだから、ドライバーで打ってみれば」と言っても、頑なに使わないんですよね。

 個人的には、一時"コース・イップス"というのか、練習場じゃ真っ直ぐいい球が出るのに、コースに出ると乱れまくりってことがありました。それでまた、練習場に戻るといい球が出るという、そんな怪奇現象に悩まされました。

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