【ゴルフ】苦節10年。前田陽子に光を与えた「師匠の言葉」
前田陽子(30歳)は、2015年シーズンを格別の思いで迎えた。
「壁」にぶち当たりながら、成長を重ねてきた前田陽子。 昨季、シーズン終盤の伊藤園レディス(11月14日~16日/千葉県)でツアー初優勝を飾った。プロ入り9年目にして(プロテスト合格前の2006年からステップアップツアー〈※〉を中心にツアーに参戦)、やっと手にした栄冠だった。1年前までは、プロ選手としては食べていけず、地元・徳島のダンボール工場で働いていた。優勝した際には、その話題が"シンデレラストーリー"としてあらゆるメディアに取り上げられ、一躍脚光を浴びた。
※レギュラーツアーの出場資格がない選手を対象に行なわれている下部ツアー。
そしてこの1月、前田は優勝した大会スポンサーの伊藤園と所属契約を交わした。伊藤園は「(前田の)夢を諦めず、地道に努力する姿勢に共感し、所属契約を結びました」と、そのいきさつを説明。30歳にして初のシード選手となり、伊藤園の契約選手として新シーズンを迎えられることに、前田は喜びを噛みしめていた。
「所属契約を簡単にはしていただけない時節柄、伊藤園さんからいいお話をいただき、本当にうれしかったです。その期待に応えられるように、今季もがんばりたいです」
それにしても、今や10代や20代前半の若手プレイヤーが躍動している日本女子ゴルフ界。そんな状況にあって、なぜ"アラサー"前田は飛躍できたのだろうか――。
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