世界30傑の松山英樹「自分にダメだしばかりしていた」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva

 米ツアーのフェデックスカップ・プレーオフ(※)に挑んでいる松山英樹(22歳)。第3戦のBMW選手権(9月4日~7日/コロラド州)では、通算4アンダー、20位タイでフィニッシュ。フェデックスポイントランキングを28位として、上位30名で争われる第4戦のツアー選手権 by コカ・コーラ(9月11日~14日/ジョージア州)出場を決めた。

※フェデックスカップとは、米ツアーの各試合の順位に応じて与えられるポイント(フェデックスポイント)によって、年間王者を競うもの。同カップはレギュラーシーズンとプレーオフに分かれていて、レギュラーシーズンの総合ポイントランキング125位以内に入るとプレーオフに進出できる(同時に来季のシード権も獲得)。プレーオフは全4戦で構成され、試合ごとに積算ポイントのランキングによって、出場選手数が制限されていく。2戦目が100名、3戦目が70名、最終戦は30名となる。なお、最終戦ではそれまでの積算ポイントがリセットされ、プレーオフ第3戦を終えた時点でのポイントランキングに応じた持ち点が改めて各選手に与えられる(1位=2500点、2位=2250点、3位=2000点......。28位の松山は230点)。ちなみに、最終戦のポイントは、優勝=2500点、2位=1500点、3位=1000点......。つまり、松山はたとえ優勝しても、ポイント上位の選手が好成績を残した場合、年間王者となるフェデックスカップ(ボーナス賞金1000万ドル=約10億円)を獲得することはできない。

BMW選手権では苦しみながらも最低限の結果を残した松山英樹。photo by Getty ImagesBMW選手権では苦しみながらも最低限の結果を残した松山英樹。photo by Getty Images プレーオフ第2戦のドイツバンク選手権(松山は57位タイ。8月29日~9月1日/マサチューセッツ州)を終えた時点で、松山のフェデックスランキングは30位だった。最終戦に駒を進めるには、下位選手の躍進を想定し、ある程度上位争いに加わることが求められた。しかし試合直前の松山に気負いはなかった。

「自分なりにがんばって、その結果として(ランキング)30位以内に入れればいい。もしダメだったとしても、この1年間がんばってきた自分を褒めてあげたい」

 ドイツバンク選手権の際には風邪をひいて体調を崩したが、それも完治。顔色がよく、コンディションはかなり良さそうだった。そして実際、松山は絶好のスタートを切った。10番スタートの初日は、いきなりバーディー発進。前半はわずか12パットで3つスコアを伸ばした。後半は硬さが増したグリーンに苦しんだが、トータル1アンダー、暫定13位タイという好位置につけた(雷の影響でサスペンデッドとなった初日。9名の選手がホールアウトできなかった)。

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