【ゴルフ】全英リコー女子オープン、
6年前の再現となった佐伯三貴と宮里藍の明暗
自然のあるがまま、「神と自然が創りたもうたコース」とうたわれるゴルフ発祥の地、セントアンドリュース・オールドコース(全長6672ヤード、パー72)で開催されている、第37回全英リコー女子オープン。
初のメジャー制覇へ、6年前の"悪夢"を振り払うべく、特別な思いで今大会に挑んだ宮里藍は、「あるがままの自然」に翻弄され、予選落ちを喫した。
初日は上々のスタートを切ったものの、2日目に大きく崩れてしまった宮里藍。
6年前――、今回と同じセントアンドリュースで行なわれた2007年の全英女子オープン。宮里藍は最終日、ティーショットがホテル越えとなる"名物ホール"の17番で、まさかの連続OBを叩いた。ひとホールで屈辱の『9』を記録し、憧れの舞台で悪夢を見た。そしてその後、引退を考えるほどの過酷なスランプに陥り、"ゴルフの神様"は、当時22歳の彼女に大きな試練を与えた。
しかし、宮里藍はその苦悩を乗り越えた。一度は世界ランキングトップに立つなど、米ツアー9勝という輝かしい実績を積み重ね、誰もがその実力を認める、世界のトッププレイヤーのひとりとなった。
あれから6年、再び戻ってきたセントアンドリュース。宮里藍は初日、5つのバーディーを奪って、トータル3アンダーの18位タイと上々のスタートを切った。屈辱の17番でも、完璧なティーショットを披露。このまま優勝争いに加わっていきそうなムードがあった。が、"ゴルフの神様"は、またしても彼女に試練を与える。
2日目、穏やかな天候だった午前中とは打って変わって、午後スタートの宮里藍は、強風が吹き荒れる中でのプレイとなった。それでも前半は、何度もバーディーチャンスにつけたのだが、それを決め切れなかった。カップに蹴られ、珍しく感情を表に出して悔しがるシーンも見られた。
そして、ふたつスコアを落とし、通算1アンダーで迎えた13番(パー4)で、"悪夢"が待ち受けていた。ティーショットがフェアウェー横のバンカーにつかまると、2打目はバンカーから出すだけに終わり、グリーンを狙った3打目が再びグリーン脇の小さくて深いポットバンカーにつかまってしまったのだ。
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