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【ワールドカップ】日本代表とスペインとの差は大きく広がった 進化したパスワークでフランスを圧倒した「中盤力」 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

【パスワークが進化】

 だが、両者が交わると、フランス自慢の"FW力"はなかなか弾けなかった。目立ったのはスペインの"中盤力"で、おのずとスペインがボールを支配する時間が長くなった。

 予想されたことではあった。だが予想以上だった。フランスはスペインにパスをつながれると焦りの色を見せた。見るからに気持ち悪そうにプレーしていた。下馬評と試合の中身の違いは時間とともに鮮明になっていった。

 前半20分すぎ、左SBのリュカ・ディニュが対峙するヤマルをエリア内で蹴飛ばしてしまったシーンもその流れから来ていた。スペインはオヤルサバルがこれを決め先制した。

 スペインの中盤はロドリ、ファビアン・ルイス、ダニ・オルモの3枚だが、左ウイングのバエナも中盤的だ。中盤の選手が左ウイングのポジションで構えているという感じだ。さらに左SBのマルク・ククレジャも、今日的なSBらしく、そのパスワークのなかに積極的に絡んでくる。トップを張るオヤルサバルも、ボール操作の巧みな、言うならば中盤的なCFだ。

 かつてのスペインは、パスワークが真ん中に集中するところを狙われ、裏返しの関係に陥り、カウンターを食いやすかった。2022年カタールワールドカップの日本戦がいい例である。

 縦に速いフランスのようなサッカーは苦手なタイプだった。だが、優勝した2024年のユーロあたりから、危なっかしいプレーは激減。リスクの少ないパスワークに進化を遂げている。ただしプレーは高難度だ。狭い局面でも苦にせず、パスコースを次々に作り出していく。その鮮やかさが全開になった一戦。この準決勝をひと言でいえばそうなる。

 この日一番のプレーを挙げるならば、前半38分の球回しだ。相手GKマイク・メニャンのキックをバエナがカットし、ロドリ、ヤマル、ダニ・オルモ、ヤマル、ファビアン・ルイスと渡ったパス回しだ。ファビアン・ルイスのシュートはわずかに外れたが、こうした高級なプレーを見せられると、フランスは黙り込むしかなくなる。

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