【ワールドカップ】サッカー日本代表と対照的? カーボベルデの「純粋さ」が世界王者を追いつめた (2ページ目)
【メッシの言葉にも相手への敬意が】
カーボベルデ代表の愛称は「青いサメ」。かつてサメ漁で生計を立て、海で巨大な獲物と向き合ってきた人々の歴史が、その名の由来である。だから彼らは何も恐れない。強大な相手を恐れない。スペイン、ウルグアイ、そしてアルゼンチン。初めてのワールドカップの4試合で歴代世界王者3カ国と対戦し、正規の90分間では一度も敗れなかったのだ。
この快進撃は世界を驚かせた。だが、アフリカサッカーを知る者にとっては、決して偶然の出来事ではなかった。彼らは予選で同組のカメルーンを抑え、トップでこの舞台へたどり着いた。実力があったからここまで来たのである。ただ、その強さを知る者にとっても、アルゼンチン戦での彼らの戦いぶりはさすがに驚きだった。
試合前、ブビスタ監督は選手たちにこう伝えた。
「相手はモンスターではない。同じ人間だ。同じ11人対11人だ」
選手たちは、その言葉を最後まで信じた。カーボベルデの2点目となる同点弾を決めたシドニー・ロペス・カブラルはこう語っている。
「目の前の試合に勝つことしか考えていなかった。この先、自分に何が起こるかなんて、一度も考えなかった」
それがカーボベルデの強さだ。名声でも未来でもない。ただ、試合後に勝っていることだけを目指して彼らは戦った。そしてその純粋さが世界王者を追い詰めた。
延長戦の末に3-2で試合を制したアルゼンチンは、勝者とは思えないほど疲弊していた。翌日になっても動ける選手はほとんどいなかったという。「もしPK戦になっていたら、まともにボールを蹴れる選手はひとりもいなかった」という選手の声も漏れ聞こえた。
「試合中はあれだけ削ってきたのに、終わったらみんな握手を求めてきて、ユニフォームまでほしがるんだ」
試合後のメッシの言葉である。苦笑いすると同時に、そこには敬意もこめられていた。世界王者も、彼らを軽く見ることはできなかったのである。
私はこの試合を見ながら何度も日本代表のことを考えた。カーボベルデも日本も、ベスト32で強豪に敗れたという意味では同じである。しかし、何かが違うように感じた。
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