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【ワールドカップ】すでにロナウドのチームではないポルトガル だが技巧派集団の完成図はまだ見えない (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【黄金世代との共通点と相違点】

 ポルトガルは1989年と1991年、ワールドユース(現・U-20ワールドカップ)を連覇したU-20代表が、現在のサッカーのスタート地点だった。ルイ・コスタ、ルイス・フィーゴ、パウロ・ソウザ、ジョアン・ピントなどの俊英たちは「黄金世代」と呼ばれた。

 しかし、華麗なパスワークで魅了した黄金世代はそこまでの成功を収めていない。期待された2002年日韓W杯はグループステージ敗退。開催国だった2004年欧州選手権(ユーロ)は決勝まで進んだが、開幕戦で敗れていたギリシャに再び敗れた。

 その後、2006年ドイツW杯は4位、2016年欧州選手権では初のビッグタイトルを獲得。UEFAネーションズリーグでも2回優勝しているが、これらは黄金世代が退いた後だ。スリリングなショートパスで密集をかいくぐっていくプレースタイルはすでに失われていた。

 だが、現在のポルトガルは黄金時代を彷彿させる人材が揃っている。

 ブルーノ・フェルナンデス、ベルナルド・シウバ、ジョアン・ネベス、そしてヴィティーニャ。MF陣の技術的なクオリティは世界最高水準。ペドロ・ネト、ラファエル・レオン、フランシスコ・コンセイソンとウイングもいつもどおり豪華。黄金世代に欠けていたストライカーもロナウドがぎりぎり健在だ。ただ、黄金世代とは少しだけ編成が違っている。少しというより1カ所なのだが、この違いが非常に大きい。

 黄金世代には常に技巧派MFを支えるアンカーがいた。守備職人のコスティーニャだ。その後も人材豊富なウイング、攻撃的MFを支える選手が起用されてきた。

 ところが、現在そのポジションにいるのはヴィティーニャなのだ。

 コロンビア戦では従来のアンカータイプに近いルベン・ネベスが先発していたが、中盤の底に位置するのはヴィティーニャ。DFのすぐ近くにポジションをとり、そこから組み立てを開始するので、スタートポジションが低い。だからこそ相手はヴィティーニャをマークしきれず、ボールを持たれたが最後、ハイプレスはほぼかからない。

 相手は後退を余儀なくされる。ポルトガルは敵陣へボールを運んでいける。PSGと同じヴィティーニャ効果だ。ただ、ここから先はPSGとは事情が違っていて、それが解決されないかぎり果たしてこのままで大丈夫かという疑問があるのだ。

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